今週、ある標準化団体が、コンピュータ同士でデータを確実にやり取りする方法の統一という提案を検討する。この動きを支援する人々は、この統一化によりWebサービス標準の利用が促進されるのではないかと期待している。
Web Services Interoperability Organization(WS-I)は、ユタ州ソルトレークシティで米国時間3月28日から開催される総会で、Reliable Asynchronous Messaging Profile(RAMP)と呼ばれる技術提案について投票を行う。
ほとんどの標準化団体では、まず技術仕様を発表し、次に同仕様を業界標準として投票採用するのが普通だ。それに対して、WS-Iはまず、企業顧客やソフトウェアベンダーが既存のWebサービス標準を使用する上で最善の方法を推薦した「プロファイル」と呼ばれるものを作成する。Webサービス標準は、異なるシステムで情報を共有するためのプロトコルの集まりだ。
IBMで標準規格とオープンソースを担当するバイスプレジデントであるBob Sutor氏によると、IBMは、Ford MotorおよびGeneral MotorsとともにRAMP提案を作成したという。
Sutor氏によると、このガイドラインにより企業顧客の多くは、通信プロトコルについてではなく、標準化されたビジネス文書の形式など、業界固有の内容に集中できるようになり、利益を得られるという。「(企業が)メッセージングプロトコルにこれほど多くの時間を割いているとは知らなかった」とSutor氏は述べた。
Sutor氏は、標準規格に基づいた高信頼性メッセージングソフトウェアは「顧客が満足して使用できるレベルに到達し」、WS-Iからプロファイルが発行されることにより、Webサービスベースのソフトウェアの採用が全般的に増加するだろうと語った。
高信頼性メッセージングソフトウェアを使えば、たとえば、ある会社の請求書発行システムが送信した注文書を、ビジネスパートナーの注文管理アプリケーションで正しく「読める」ようにできる。RAMPプロファイルは、完了するまでに数日かかる複数のステップからなる取引にも対応できる。現在、ほとんどのメッセージングシステムはプロプライエタリであり、他のメッセージング製品との併用は難しい。
ソフトウェアベンダーや企業顧客を含むWS-Iのメンバーは今週、同提案に対する投票を行う。提案が承認されれば、提案書に基づいて高信頼性メッセージングプロファイルの作業グループが結成されるとWS-I委員長でIBM幹部のTom Glover氏は語る。
WS-Iは、Simple Object Access Protocol(SOAP)などの基本的なWebサービスプロトコルの相互運用性を利用して、アプリケーション間でデータを共有する方法に関するプロファイルをすでに作成している。また、セキュリティプロファイルも作成している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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