既存のケーブルテレビ用配線を利用した家庭向け高速ブロードバンド通信を推進している業界団体、同軸ケーブル・マルチメディア協会(MoCA)が、その技術要件を満たすための最終的仕様を決定した。相互運用性を確認するため、仕様の検証をすでに済ませた企業もある。
MoCAは、同軸ケーブルを使ってコンテンツを配信するための標準規格「MoCA MAC/PHY v1.0」を策定したことを、米国時間3月28日に発表する予定だ。この規格には全仕様のほか、この仕様の利用を望む企業のための、試験計画および手続きが含まれている。
Actiontec、Entropic Communications、Ciscoの一部門であるLinksys、Mototech、Motorola、松下電器産業(Panasonic)、2Wire、Westell Technologiesなど複数の企業がMoCAの認証を受けている。MoCAの認証委員会は2月、マサチューセッツ州ウォルサムにあるVerizon Labsにおいて、これらの企業の製品を試験した。次回の試験は4月中に予定されている。
MoCAの認証を受けた企業は、MoCAのロゴを使用して製品が標準規格に準拠していることを表示できる。
家庭向けにブロードバンドコンテンツや動画を配信する独自の技術を推進しようとしている業界団体はほかにもある。MoCAは、ケーブルテレビ用に設置された同軸ケーブルの利用を推進している団体の1つに過ぎない。HomePNA(旧称Home Phoneline Networking Alliance)もまた、家庭向けのデータ通信のために電話線だけでなく既存の同軸ケーブルの利用を推進している。
すでにMoCAの技術を利用した製品の生産を開始している企業もある。MotorolaはMoCAを組み込んだセットトップボックスを販売予定だ。また、Verizon Communicationsも「FiOS」サービスの配備コスト削減のためにMoCAの技術を利用する計画だと発表した。
別の業界団体HomePlug Powerline Alliance(HPA)は、電力線を利用したイーサネット信号の搬送を提唱しており、家庭にあるコンセントをネットワークへの入り口にしようとしている。Linksys、NetgearおよびSiemensなどの企業が「HomePlug」規格の認証を受けた製品を生産している。
米国電気電子学会(IEEE)内に新設された802.11n部会も、新しい高速Wi-Fiの標準規格を策定中であり、まもなく同部会の仕様を標準規格として採用する予定だ。このオープンスタンダードの策定手続きには、Intel、Broadcom、Airgo Networksなどの企業が参加している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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