ワシントン発--テキサス州の弁護士が、Microsoftのプロダクトアクティベーションプログラムに組み込まれた著作権侵害対策技術を巡る特許訴訟に敗訴した。
連邦巡回控訴裁判所は、MicrosoftはKenneth Nash氏の特許を侵害していない、とする連邦地方裁判所の判決を支持した。この特許は、プログラムごとにユニークなIDを割り当て、これをインターネット経由で検証して違法コピーソフトウェアを検知するというもの。
この訴訟では、特許番号第6449645号について争われている。その特許には、インターネットデータベース内で各コンピュータに割り当てられているシリアルナンバーやアクティベーションキーといった固有のIDをユーザーの気付かないうちに収集し、同一プログラムの複数のコピーが同時に実行されていないかをチェックする方法について記されている。この技術を使えば、例えば友人関係にある2人のユーザーが1本のビデオゲームを同じアクティベーションキーを使って同時に実行するといった違法な使い方を阻止できる。
仮にそのソフトウェア特許の有効性が認められ、Microsoft製ソフトウェアに適用されれば、Microsoft以外の企業も危険にさらされる可能性がある。Adobe Systemsによると、同社はコンピュータごとに「固有の」IDを割り当て、そのコンピュータから「Adobeのウェブサーバに」情報を送信するソフトウェアアクティベーション技術を使用しているという。またSymantecもプロダクトアクティベーションを利用している。さらに、その特許の範囲は単にソフトウェアだけでなく、「デジタル音楽、デジタル映画、マルチメディアなど」にも及んでいる。
判決は米国時間3月16日に下された。9日に同裁判所で行われた口頭弁論では、Nash氏の発明やMicrosoftのプログラムで用いられる「自動」の定義について、判事が時間の大半を費やして質問を行った。
Microsoftの弁護士Walter Brookhart氏は陪審員に、プロダクトアクティベーションプログラムとNash氏の発明は「根本的に異なる」と説明した。同氏は、Microsoftのプログラムは「公然と動くアップフロントのシステム」だとし、ユーザーが問題のソフトウェアを電子メールや電話でアクティベートするか、一定時間が経過しない限り、初期画面から先には進めない、と語っている。
ソフトウェア特許はフリーソフトウェアコミュニティや多くのプログラマの怒りを買い、欧州では拒絶されている。特許を訴訟にしか利用しない人々は、連邦議会や、Hewlett-Packard、Intelなどの企業から非難を浴びている。先ごろResearch In MotionのBlackBerryがサービス停止寸前にまで追い込まれたことからも、特許を改革すべきとの声が上がっている。
テキサス州ヒューストンにオフィスを構えるNash氏は、知的財産を専門にする弁護士。地元の専門職協会がまとめている名鑑によると、同氏は電子工学の学士号も取得しているという。
同氏は、Microsoftがプロダクトアクティベーションプログラムを通して自身の特許を侵害しているとして、2003年に訴訟を起こした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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