テキサス州の弁護士Kenneth Nash氏は、各プログラムに固有のIDを割り当て、それをインターネット上で確認することにより、海賊版ソフトを発見する方法の特許を保有している。
Nash氏は、Microsoftのプロダクトアクティベーションプログラムをめぐり同社を提訴したが、ヒューストンの判事が同氏に不利な判決を下したため敗訴した。Nash氏は米国時間3月9日、控訴による逆転勝訴を期待し、ワシントン州の連邦裁判所に特許クレームを提出した。
この訴訟では、特許番号第6449645号について争われている。その特許には、インターネットデータベース内で各コンピュータに割り当てられているシリアルナンバーやアクティベーションキーといった固有のIDをユーザーの気付かないうちに収集し、同一プログラムの複数のコピーが同時に実行されていないかをチェックする方法について記されている。この技術を使えば、例えば友人関係にある2人のユーザーが1本のビデオゲームを同じアクティベーションキーを使って同時に実行するといった違法な使い方を阻止できる。
仮にそのソフトウェア特許の有効性が認められ、Microsoft製ソフトウェアに適用されれば、Microsoft以外の企業も危険にさらされる可能性がある。Adobe Systemsによると、同社はコンピュータごとに「固有の」IDを割り当て、そのコンピュータから「Adobeのウェブサーバに」情報を送信するソフトウェアアクティベーション技術を使用しているという。またSymantecもプロダクトアクティベーションを利用している。さらに、その特許の範囲は単にソフトウェアだけでなく、「デジタル音楽、デジタル映画、マルチメディアなど」にも及んでいる。
9日に連邦巡回控訴裁判所で行われた議論では、Nash氏の発明とMicrosoftのプログラムに使用されている「自動」の定義が主要な争点となった。
Nash氏の弁護士を務めるDavid Anderson氏は3人の判事団に対し、下級裁判所はその定義を読み違えたと主張した。同弁護士によると、Nash氏は自分の発明全体が自動的に機能するとは一言も述べておらず、あるユーザーがインターネットに接続しているか否かの確認といった特定の「サブプロセス」のみ自動的に行われると主張しただけだという。同氏は、Microsoftが同社の証拠種類の中で、同社のアクティベーションシステムがそのような自動処理を行うことを認めている、と主張した。
これに対し、Microsoft側の弁護士を務めるWalter Brookhart氏は、同社のプロダクトアクティベーションプログラムとNash氏の発明は「根本的に異なる」と反論した。Nash氏の発明は、特許申請書で述べられているように、「なるべく」バックグラウンドで動作するもので、Brookhart氏の言葉を借りれば「スパイウェアタイプのシステム」だ。しかし、Microsoftのプログラムは「公然たるシステム」だとBrookhart氏は主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」