カリフォルニア州サンタクララ発--Intelは、まずワイヤレスネットワーク機能付きノートPCのブランドとして「Centrino」を導入した。次に、ホームエンターテイメントコンピュータ用の「Viiv」を投入した。そのIntelが、今度はビジネスPC向けとして3番目の主力ブランドを検討している。
同社のAnand Chandrasekher氏(セールス&マーケティング担当シニアバイスプレジデント)は米国時間23日、当地にあるIntel本社でCNET News.comの取材に応じ、「この分野で何かをすべきかどうかについて検討を進めている」と語った。
同氏はこのアイデア実現を約束することこそしなかったものの、そうした動きを示唆するIntelの過去のパターンに注意を向けさせた。Intelは、CentrinoやViivのブランドをかなり以前から「それとなく示唆」し、これらのプラットフォームが簡略化する一連の作業について説明していたと、Chandrasekher氏は語った。同氏自身も、使いやすさ、セキュリティ、そして仮想化などの「組み込みIT」機能を指摘し、ビジネスPCに対する独自の考えを示した。Intelでは「組み込みIT」機能がビジネス環境におけるPC利用の焦点になると考えている。
ビジネスPCブランドの立ち上げは、プロセッサだけでなく、コンピュータの特定用途に対応するプラットフォームという技術パッケージの販売を目指すIntelにとって、新しい大きな一歩となる。同社は、PC内部に組み込まれる部品で圧倒的なシェアを持っており、PCの機能と使いやすさに対して同社が果たす責任は大きくなっている。
Intelのプラットフォーム技術に関する取り組みと、これに関連するブランド展開は、2005年に当時社長だったPaul Otellini氏(現最高経営責任者)が実施した組織再編で、一躍前面に躍り出た。
ビジネスPC用のブランド導入時期としては、デスクトップ用のプロセッサデュアルコア「Conroe」と「Broadwater」チップセット、そしてギガビットイーサネット機能を組み合わせたビジネスPCプラットフォーム「Averill」(開発コード名)が登場する第3四半期が考えられる。
Averillには、リモート管理作業を実現するIntelの「Active Management Technology」や、「Virtualization Technology(VT)」が搭載される。後者は、1台のコンピュータ上で複数のOSを稼働させることを容易にするもの。
Intelの主な関心は自社の技術を確実に機能させることにあるが、同社では各ブランドも重要な役割を担っている。多くの電子機器ベンダーは無名のコンポーネントサプライヤーの地位に満足しているが、Intelはもっと野心的だ。同社はあの有名な「Intel Inside」キャンペーンによって、Dellや東芝などのPCメーカーからマシンを購入する顧客との間に、ダイレクトな関係を構築した。
Intelには「ブランドの階層」があり、「Intel」はその頂点に立つ「マスターブランド」だと、Chandrasekher氏は説明した。そして、中間層にはプラットフォーム用のブランドが、さらにその下には「Pentium」「Core」といった個別ブランド(ingredient brands)がそれぞれあるという。
これまでは、Pentiumのようなチップブランドが上位に君臨していたが、2003年になってCentrinoが発売されたことで、プロセッサと付属チップセット、ワイヤレスネットワーキング技術で構成されるプラットフォームが台頭してきた。「Centrino発売により、この転換を意識的に行った」(Chandrasekher氏)
Intelは以前、最もよく知られたブランドの1つである「Pentium」をいずれは廃止する可能性が高いとしていた。実際に、同社最新のプロセッサ群には「Core Duo「Core Solo」という全く異なる名称が付けられている。
Pentiumプロセッサの新しいものはほとんどが「NetBurst」マイクロアーキテクチャという設計を採用したものだった。それに対し、今年登場する新世代のプロセッサ群には新しいマイクロアーキテクチャが採用され、それにあわせて「Core」というブランドも使われる。
「Core」の採用が示しているのは、もはやプロセッサがブランディングの焦点になることはない、ということだ。「この背後には、Coreはこれらのプラットフォームに対するシリコンのコアであるという考えがある」(Chandrasekher氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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