ニッチならおまかせ--案内広告専門の検索エンジン「Vast」登場

文:Michael Kanellos(News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年03月14日 18時15分

 「比較的新しい中古のトヨタカローラを買いたい」あるいは「元犯罪者と出会いたい」と思っているなら、「Vast」を使って探してみるといいかもしれない。

 米国時間3月14日に発表予定のVastは、案内広告(classified ad)を簡単に探しだすことを目的とした検索エンジン/ウェブクローラーだ。これらの広告が対象の場合、GoogleやYahooといった大規模な検索エンジンでは特定するのが難しいことがある。

 かつて「Omni-Explorer」という社名でひそかに知られていたVastは、当面は自動車、求人情報、出会い系の3分野の広告に的を絞っていく。ただし、いずれは住宅やオートバイ、ペットなど、扱うトピックを徐々に増やしていく予定だと、同社の創始者であるNaval Ravikant氏は述べている。

 「Vastは、ウェブ全体を多重かつ垂直的に分類検索するものと考えてもらえればいいだろう。通常のデートのお相手を探すために使用するようなものではないが、オタク仲間からレアな乗り物、さらには犯罪者にいたるまで、ありとあらゆるニッチなものを探すツールとして非常に有効だ」(Naval Ravikant氏)

 Vastも、他の検索エンジンの新興企業と同じく、特化した検索機能に対する潜在的なニーズを活用したいと考えている。過去10年間に蓄積された膨大なデータのおかげで、今やたった1つのトピックに関する情報をあっという間に検索することができる。ただその一方で、データの量があまりにも多く、しかもあちこちに散らばっているせいで、不必要なデータの中から自分が本当に欲しい情報だけを手に入れることが難しくなっていることも事実だ。

 たとえば、Googleのメインページで特定のタイプの中古車を検索すると、自動車ディーラーや交換パーツのカタログ、ニュースなどたくさんの結果が表示されるが、ユーザーの興味を引く広告が数十ページ目に載っている可能性もある。

 Googleなどの大手各社はすでにこの問題を解決するための取り組みを進めている。Googleでは「Googel Base」を公開しており、またeBayもオンラインの案内広告をビッグビジネスに変えた「Craigslist」に投資している。

 Vastは、個人ユーザーの出す広告が目に付きやすいようにすることで、大手企業の隙間を狙おうとしている。たいていの「買います」広告では、個人が特定のサイトに広告を掲載する必要があるが、Vastでは自動車ディーラーや個人が自分のサイトに広告を載せればよく、あとはウェブクローラーが自動的にそれらの情報を集めてリストに掲載する。また、Edgedoという別の新興企業でも似たような仕組みを開発している。

 「われわれが作っているのは、Google Baseのオープンバージョンだ。ユーザーはGoogleにアクセスして状況を入力する必要はなく、いまある場所でそのままにしておけばいい。情報は、自動車ディーラーのサイトやCraigslist、自分のブログなど、どこにあっても構わない。また特別なタグを付加する必要もない」とRavikant氏は言う。「われわれのほうから(情報を)取りに行って、それをインデックスに登録し、整理して、ユーザーが似たようなアイテムと比べて見られるようにする」(Ravikant氏)

 Vastのサイトでは、よくあるフィルタリングのテクニックを利用して検索結果を絞り込むことも可能だ。自動車の検索ページで、たとえば「Nissan Sentra」と検索してみると、2万2000件を超える結果が表示される。しかし、この結果を年式や地域、郵便番号、価格、走行距離数などのフィルターで絞り込むことが可能だ。価格や年式、地域、価格でフィルタリングしたところ、47件の結果が残った。

 Vastではまだ具体的なビジネスモデルを煮詰めているところだが、他の検索企業のように売上の一部をシェアする可能性が最も高い。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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