全米各地で相次いでいるデビットカード窃盗事件に関連して、ニュージャージー州の警察が14人の容疑者を逮捕した。この件では、これまで全米各地の銀行で数十万枚のデビットカードが不正に交換されている。
同州ハドソン郡のEdward DeFazio検事によると、14人の容疑者はいずれも米国民であり、彼らは盗まれたクレジットカードやデビットカードの情報を使って偽造したカードで、不正な買い物を行ったり、カードの所有者の銀行口座から預金を引き出した罪に問われているという。容疑者の大半は過去2週間の間に逮捕された。
DeFazio検事が米国時間3月13日にCNET News.comに語ったところによると、悪用されたクレジットカード情報の一部は、事務用品販売大手のOfficeMaxやノースカロライナ州のState Employees' Credit Unionなどの企業から盗まれたものだという。「被害に遭った企業のセキュリティ担当者に協力してもらった」とDeFazio検事は語った。
デビットカード保有者の口座を狙った窃盗事件は増加傾向にあり、事件が発生した地域もサンフランシスコからボストンに至るまで広範囲に渡っている。クレジットカード発行会社のVisaとMasterCardは、これらの犯罪の原因について、ある企業のセキュリティが破られたためと説明したが、その企業の具体名は明らかにしなかった。
ここ2週間、窃盗事件が発生した一部の地域を捜査している警察の間で、被害者とOfficeMaxの間に関連性が見つかったことが話題になったが、OfficeMaxは同社のセキュリティが破られたとの疑惑を繰り返し否定した。この件について、13日にOfficeMaxの広報担当者にコメントを求めたが回答は得られなかった。
アナリストらは、データ紛失の責任の所在に関係なく、今回の事件によりデビットカードに対する国民の信頼が大きく損なわれたと指摘する。調査会社GartnerのAvivah Litan氏(調査担当ディレクターである)によると、これまでもデビットカードを狙った窃盗事件はあったが、数千件のPINコードが盗まれたのは今回が初めてだという。
同氏によると、盗んだクレジットカードを現金に換えるには、時間とコストがかかるという。犯人は盗んだクレジットカードの情報を手に、まずは物品を購入し、その後でそれを現金に換える必要がある。
「だが、この種のデビットカード詐欺では、犯人は直接現金を手に入れられる」(Litan氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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