Salesforce.comは、大企業を対象にした新しいハイエンドサービスを投入することで、ホスティング型アプリケーション製品ラインの拡大を図ろうとしている。
Salesforceは今週、これまで同社のトップ製品であった「Enterprise Edition」よりも多くのストレージ、カスタマイズ、テストに関するオプションを備える「Unlimited Edition」の提供を開始した。
Salesforceのマーケティング担当バイスプレジデントであるPhil Robinson氏は、「企業はEnterprise Editionの上限に達している。われわれは、業務全体をオンデマンドで実行したいと思っているそのような企業にサービスを提供しようとしている」と語る。
Unlimited Editionでは、Salesforceの顧客関係管理(CRM)サービスの上で実行できるカスタムアプリケーションの数は制限されていない。一方、Enterprise Editionでは、実行できるカスタムプログラムの数は10までに制限される。実行するアプリケーションとしては、社内でカスタム開発したプログラムや、Salesforceが運営するホスティング型アプリケーションのオンラインマーケットプレースである「AppExchange」で入手したサードパーティー製プログラムが利用可能だ。
さらに、Unlimited Editionでは、ユーザー1名あたりのストレージ容量が最大120Mバイトになる。これはEnterprise Editionの6倍にあたる。さらに、開発およびテスト用サービスである「Salesforce Sandbox」へのアクセスが含まれ、専任のサポート担当者や管理ヘルプも自由に利用できる。
新しいサービスの費用は、ユーザー1名あたり月額195ドルになるとRobinson氏は述べた。Enterprise Editionはユーザー1名あたり月額125ドルだ。
Robinson氏によると、既存の顧客に加えて新サービスの顧客に対応もできるようにするため、Salesforceではデータセンターを拡張し、容量を増やしているという。同社は、サービスが停止する事態がここ数カ月で何度も発生し、顧客から不満の声があがっていた。
「データセンターの再開発に関していえば、適切に顧客対応できるよう拡大することが、われわれの戦略の一部であることに間違いはない。それには終わりはない。顧客数が増えれば、スケーラビリティが必要になってくる。スケーラビリティに関していえば、インフラを常に検討し続ける必要がある」(Robinson氏)
Salesforceは、月間料金制でソフトウェアをインターネット経由で提供する、オンデマンドモデル市場をリードしている企業だ。Salesforceの最高経営責任者(CEO)であるMarc Benioffは、このモデルにより、多くの企業が認識しているように「ソフトウェアの終末」が訪れ、クライアント/サーバソフトウェアが取って変わられるようになると述べている。
Microsoft、Oracle、SAPなどのソフトウェア企業も、大企業向けにウェブベースのサービスを提供するようになってきている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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