Salesforce.comのサービスが米国時間20日、ほぼ終日にわたり停止し、顧客企業の多くが重要な業務データにアクセスできないという事態に見舞われた。同社としては、おそらく過去最悪のサービス障害となった。
Salesforceは、企業が使う顧客情報を保管し、インターネット経由でデータを「オンデマンド」提供する。そのデータへのアクセスが出来なくなったことで、年末休暇前の重要な時期に、一部の同社顧客で営業活動やカスタマーサービス活動に支障をきたした。
「不便なだけではなく、商機も逃している」とMission Research(本社:ペンシルバニア州ランカスター)の最高経営責任者(CEO)Charlie Crystleは言う。「1年で多忙な時期なのに」(Crystle)
Salesforce広報担当者のBruce Francisは、同社顧客1万8700社のうち、何社が今回のサービス停止で影響を受けたかは不明だと述べた。サービスが停止したのは太平洋標準時間(PST)の午前6時半頃で、原因はデータベース障害だという。同障害は午後2時頃までには修復されたとFrancisは付け加えた。
Francisは、影響を受けた顧客に対して謝罪するとともに、「事態をとても深刻に受け止めている」と述べた。
問題は広がりを見せている。被害にあった顧客の苦情が、複数のブログを含むウェブ上で見られた。
Salesforceは「稼働率」99%以上をうたっており、サービス停止は「めったに起こらない」とFrancisは言う。同氏の説明では、Salesforceのシステムは、一般的に稼働される同種のシステムに比べ、信頼性は同等もしくはより高くなっているという。
一方、今回の障害についてCNET News.comに連絡をしてきた一部顧客は、Salesforceのサービス停止は予想以上の頻度で発生していると語っている。Mission Researchでは、ほぼ1カ月に1度の頻度でサービス停止を経験しており、それが通常1時間近く続くとCrystleは述べている。また、米東海岸のあるコンサルティング会社は2005年に入ってから5〜6回も被害にあっていると、同社のバイスプレジデントが匿名を前提に語った。Salesforceへの不満は高まりつつある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」