ワシントン州レドモンド発--Microsoftの研究者Mike Sinclairは、2台の携帯電話機にダンスをさせようと考えている。
Sinclairによると、2台の電話機を一緒に持って同時に動かすことで、これらの電話機に暗号鍵を生成させるのだという。この暗号鍵を使えば、第三者から内容を傍受されずに、携帯電話同士で安全にデータ交換できる。
Microsoftの研究部門でソフトウェアデザインエンジニアを務めるRaman Sarinも、同じ問題を解決をしようとしているが、やり方が違う。「Blue Rendezvous」と名づけられたSarinのアイデアは、Bluetooth対応電話機2台のユーザーが同じボタンを押すことで、両者が通信を望んでいることを示すというものだ。接続が成立すると、名刺や写真など、各人が希望する情報を送信し合うことができる。
SarinとSinclairは別々にTechFestに参加、各自のアイデアをMicrosoftの製品部門にアピールしようとしていた。TechFestは、当地にあるMicrosoft本社で米国時間3月3日まで開催される2日間の社内向けのイベントだ。
こういった重複を無駄と見る人もいるかもしれない。だが、Microsoftの研究者Bill Buxtonは、同じテーマに違ったアプローチから取り組むことを良い考えだと述べている。Microsoftには2005年12月に入社したばかりの同氏は、似たような分野に取り組んでいる研究者がいるのを見て自信が持てたと言い、SarinとSinclairの研究は近い将来現実のものとなる可能性が高いと説明した。マウスのように、全く新しい考えが商品化されるには何十年もかかるものだ、とBuxtonは付け加えた。
Buxtonは、Alias Wavefrontの元チーフサイエンティスト。同氏にとってTechFestは初めてだった。同氏によると、展示技術に感心もしたが、もっとうれしかったのは、展示ブースを見て回る何千人ものMicrosoftの製品部門社員の表情だと言う。
「士気を上げるにはこういう時間が必要だ」とBuxtonは言う。TechFestは社員を「Windows10.0や20.0のバグ修正だけでは終わらないぞ」という気持ちにさせる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」