MicrosoftとKaspersky Labは、Microsoftの電子メールセキュリティーソフトウェア「Antigen」で生じていた大規模な電子メールの問題で、原因となっていたエラーを修復した。
Microsoftは米国時間2月21日、Antigenユーザーに向けて、Kaspersky Lab製ウイルス対策ソフトウェアエンジンの最新版の配布を開始した。MicrosoftとKasperskyの関係者は、先週配布した同エンジンのアップデートに欠陥があり、問題につながったことから、配布を控えていたと説明している。
「2社が関係する限り、問題は対処され、業務は通常の状態に戻っている」とKasperskyの北米地区担当プレジデントであるSteve Orenberg氏は述べている。
今回の問題により、一部の顧客では、電子メールシステムが完全に機能しない状態が10時間も続いた。原因は、16日朝より配布が開始されたKasperskyのウイルス対策エンジンの定期アップデートにあった。Microsoftは同日午後、問題を解決するため、同ソフトウェアの古いバージョンの提供を開始している。
Microsoftの関係者は声明文で、「Kasperskyのアップデートが原因で顧客の電子メールに問題が生じていることが確認でき次第、KasperskyとMicrosoftは、両社の適切なチャネルを通じてこの問題を取り上げ、解決策を解明、検証、そして提供できた」と説明している。
AntigenはMicrosoftが買収したSybariの技術で、複数のウイルス対策エンジンを利用する。Antigenは約1000の企業に導入されており、Microsoftの関係者によると、Kasperskyエンジンユーザーの「一部にすぎない」という。
Kasperskyのエンジン更新に数日間を要したことは、1種類のエンジンが更新されないままだったことを意味するが、その一方で、ユーザーは他のエンジンや更新で保護されている。Microsoftのウェブサイトによると、Antigenは最大5つのエンジンを同時に利用して電子メールをスキャンできるという。
Microsoftは先ごろ、Antigenの最新ベータ版を発表したところだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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