DSとRevolutionに自信を示す任天堂

文:Daniel Terdiman(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年02月23日 18時07分

 2006年には、ソニーからは「PlayStation 3(PS3)」が、また任天堂からは「Revolution」が発売される。

 これらの次世代ゲーム機には最新鋭の動画処理機能が搭載されることになっており、その発売によってソニーの「PlayStation 2」や任天堂の「GameCube」といった現行のゲーム機が過去の遺物となるかもしれない。

 しかし、PS3やRevolutionの発売を待ち受けるビデオゲーム業界ではソフトウェアの販売が減速しており、果てしなく発売され続ける続編作品の陰で、革新的なことが忘れ去られてしまっていることに多くの人間が懸念を示している。そして、Electronic Arts(EA)のつくるアメフトゲーム「Madden NFL」や任天堂の「スーパーマリオブラザーズ」といったシリーズが確実にベストセラーとなる一方で、業界はまったく新しいタイトルを生み出す意欲を失ったのではないかと懸念する者もいる。

 Microsoftが2005年11月に発売した次世代ゲーム機「Xbox 360」が成功とみなされ、いまだに入手が難しい状況であるにもかかわらず、同ゲーム機向けに発売されたタイトルがいずれもそれほど大ヒットしていないのも、こういった状況の現れといえる。また、Xbox 360と同時に発売された18本のゲームは、まったく新しいタイトルも何本かあったとはいえ、そのほとんどが続編だった。

 任天堂は以前に、Revolutionでは一段上のレベルの技術革新を実現すると発言していた。CNET News.comはその発言を念頭に置きながら、任天堂米国法人の営業/マーケティング担当エグゼクティブバイスプレジデント、Reggie Fils-Aimeにインタビューを行い、同社の今後の計画について話を聞いた。

--新年の抱負をお持ちだと思いますが、まずはそこから始めましょう。

 わかりました。2006年の私の抱負は5つあります。まず1つめは、常に素晴らしい製品を追い求めていくということです。この業界では、なによりもエンターテインメント性が重要であり、最後に勝利を手にするのは、最高のゲームを擁する企業です。そこで任天堂は、最もエンターテイメント性に優れた製品を市場に送り出すことに注力していきます。

 2つめは、マスマーケットをターゲットにし続けるということです。世の中の細分化が進んでいるなかで、多くの企業が一般消費者には値段が高すぎて手の出せない製品を作っています。

 たとえば、米国では、Xbox 360本体とゲームソフト、それにコントローラーをあわせて買うと、700ドルを超えてしまいます。そしてこの価格には、HD(高品位)テレビの値段は含まれていませんが、Xbox 360の性能をフルに楽しもうと思えばHDテレビは不可欠です。それに対して、任天堂は今後も大部分の顧客が買えるような製品を提供していくつもりです。

--具体的にはどんなことをお考えですか。

 まず、携帯ゲーム機と据え置き型ゲーム機の両方について、ゲームを中心に据えたシステムやハードウェアをつくっていきます。これにより、われわれの製品は確実にゲーマーのニーズを満たすことを重視したものになります。正直に言って、音楽などを取り込もうとした製品は、素晴らしいゲーム体験がどんなものかを表現しきれていません。

--価格に言及されましたが、Revolutionは700ドルよりもずっと安い価格で発売されると受け取っていいですか。

 ええ。Revolutionという開発コード名で呼ばれている、任天堂の次世代ゲーム機は300ドル未満で発売される予定です。第3の抱負は、新たな顧客をつかむことです。

 この業界はニッチな層に狙いを絞るようになってきていますが、任天堂は幅広い層の消費者に向けて製品を販売しています。「ニンテンドッグズ」や「おいでよ どうぶつの森」のようなゲームは、35歳より年上の消費者や女性にも売れています。そこで、2006年にはこれまでゲームをしたことがない消費者にゲームを売り込んでいくつもりです。

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