サンフランシスコ発--当時20才の学生だったBill Saganは、シカゴのアラゴン・ボールルームで1970年に開催されたレッド・ツェッペリンの伝説的なコンサートで、ロックンロール文化に初めて触れた。
現在は企業家として活躍する同氏は、レッド・ツェッペリンをはじめ、ロック界に名を残したバンドを記録した膨大なコレクションを所有しており、これらをオンラインで無料で提供しようとしている。
2002年から、Saganはロック界伝説のプロモーターBill Grahamが手がけた数々のコンサートの完全なアーカイブを所有している。Grahamは1960年代後半や70年代初期を代表するGrateful Dead、Jefferson Airplane、Jimi Hendrixなどのコンサートを手掛け歴史に名を残した。Saganは先週より、これまでほとんど公開されることのなかった歴史的コンサートの一部を自社のWolfgang's Vaultサイトに掲載し、インターネットラジオサービスとして配布し始めた。
「ライブパフォーマンスはスタジオ演奏よりも迫力がある。ライブはバンドがその夜に演奏したものだ。歌の間になされたトークも収められている。演奏中に弦が切れれば、そのときの様子も残っている」とSaganは述べた。
Amazon.com、Rhapsody、iTunesといったサービスも便利だが、デジタル音楽の本当のパワーを見せつけるのは、音楽史を刻んだこうした貴重な作品だ。未発表の音声や画像数千時間分を含むGrahamのアーカイブが、ついにデジタル化され、配布されることになった。
Saganにとって、これはビジネスとして提供しているサービスだが、その反響はすさまじい。サービスが公開されてからわずか数日間で、何千人ものリスナーからコンサートの裏話やリクエストに関するメールが寄せられた。
GartnerG2のアナリストMike McGuireは「(提供されているコンテンツは)どれもこれも素晴らしく、貴重なものばかりだ。配布の仕方も賢い。オンラインでデジタルコンテンツを配信すれば、多額の資金を用意する必要もないからだ」と述べた。
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