ニューヨーク発--IBMは米国時間2月16日、犯罪者の摘発やバンキングユーザーの利便性向上といったさまざまな用途を持つ情報管理製品/サービスに、向こう3年間にわたり10億ドルを投資していくと発表した。
IBMの幹部は、複雑な情報管理問題を解決する新たなコンサルティングサービスについて、記者会見で詳細を明らかにした。同社はまた、IBMの既存のデータ管理ツールをバンドルしたソフトウェアパッケージも発表している。この取り組みには、同社のGlobal Services部門の1万5000名に上るコンサルタントを投入し、さらに9750名の外部スタッフを雇用して充てるという。
IBMは、同社のソフトウェアおよびサービスを用いて、情報管理に関する困難な問題に対処する契約を約500社の企業と結んでいるが、今回発表された製品はこうした契約から派生したものと説明されている。
例えば、IBMはMaersk Logisticsとともに、運送用コンテナに無線センサーを埋め込んで、物流企業があらゆるインターネット接続環境から貨物の状態を把握できるようにする取り組みを行っている。このほかIBMは、警察官が犯罪現場の複数の情報源を調査して、容疑者を絞り込むためのシステムを、ニューヨーク市のために構築している。
IBMの幹部によると、こうしたアプリケーションの開発は、情報管理ソフトウェアが進化しハードウェアが強化された結果、ここ数年でようやく可能になったという。IBMのソフトウェア部門は、AscentialやTrigo、SRD Software、iPhrase、Veneticaといった企業を過去5年間に取得して、情報管理ポートフォリオを確立してきた。
同部門のシニアバイスプレジデントSteve Millsは、「ここ5年の間に、われわれは(情報管理製品を拡充するために)必要なものを蓄積した」と述べ、「ビジネスにおいては、いかに情報を利用して事業を向上させるかが大きな問題であるとわかっていた」と話した。
Millsは、10億ドルという予算の大部分が、基本的な情報管理技術の開発ではなく、IBMのソフトウェアを特定のビジネス環境に適応させるために用いられる予定だと述べている。
また同社の幹部によると、IBMはハードウェアおよびソフトウェア製品を、専門的なサービスと合わせて提供することに関心を抱くようになっているという。
IBMでEnterprise Transformation Services部門シニアバイスプレジデントを務めるGinny Romettyは、「顧客が予算を投じると思われるソリューション分野に力を入れている。そうした分野には、ポイント的な製品に割かれる額の2倍の予算が割かれると考えている」と話した。
IBMのサービス部門は、すでに6つの「ソリューション」を開発している。これらは、異なるビジネス環境に対処するためのソフトウェアおよびコンサルティングサービスを組み合わせたものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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