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電子商取引への信頼感低下に歯止めを--セキュリティ企業トップが講演

文:Joris Evers(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年02月16日 13時02分
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 カリフォルニア州サンノゼ発--SymantecとVeriSignのトップは米国時間15日、電子商取引に対する信頼感を高めなければ、消費者が昔ながらの買い物方法に戻ってしまうと警告し、企業の経営陣に対してデジタル経済の保護を訴えた。

 Symantec最高経営責任者(CEO)のJohn Thompsonは、当地で開催中の「RSA Conference」で行った基調講演のなかで、「古いビジネスのやり方に戻ることはできない。デジタル分野の信頼を確立することは業界全体の務めだ」と述べた。「企業も消費者も、全員が互いに信頼しあえるパートナーであることを証明できなければ、電子商取引に関連したリスクが容認できないレベルに達してしまう」(Thompson)

 Thompsonによると、電子商取引は消費者のほぼすべての行動に関与しているという。「ネットに接続していないと思っている時でも、実は接続されている」(Thompson)。また、電子商取引は企業にも影響を与えており、コスト削減などのさまざまなメリットをもたらしている。そのため、企業はデジタル技術の効率性に大きく依存しており、将来的にもその導入を拡大しようとしている。

 しかし、電子商取引の拡大にともない、セキュリティに対する脅威も拡大している。FTC(連邦通商委員会)に消費者から寄せられる苦情は、今も身分詐称(なりすまし)に関するものが最も多く、またデータ漏洩も頻繁に報告されており、さらにフィッシングも増加傾向にある。これらの要因すべてが電子商取引の信頼性を傷つけていると、Thompsonは強調した。

 VeriSignのCEO、Stratton Sclavosもこの日に行った別の基調講演で、同様の考えを主張した。「(電子商取引に対する)消費者の信頼が低下している」と述べたSclavosは、この問題を解決する手段の1つとして、同社が販売する「VeriSign Identity Protection」などの各種製品を売り込んだ。

 今週はじめに発表されたVeriSign Identity Protectionは、ワンタイムパスワードを生成するトークンなど、セキュリティ機器を1つ使うだけで、同サービスと提携するどのウェブサイトでも認証が可能になるというものだ。VeriSignによると、同社はYahoo、eBay、PayPalから同サービスに対する支持を獲得しているという。

 携帯電話や小型のUSBストレージなども、VeriSign Identity Protectionを利用するウェブサイトの認証に利用できると、Sclavosは説明した。「行く先々で別々のセキュリティモデルを用意する必要があっては、消費者を説得できない」(Sclavos)

 Thompsonの講演には、それほど具体的な製品の名前は登場しなかった。かわりに同氏は、企業各社の経営陣に向けて行動を起こすように呼びかけた。「われわれが信頼できるデジタルな環境をつくり出せなければ、電子商取引の成長が鈍化するだけではすまない。すべてのビジネスが悪影響を受けるだろう」と同氏は述べた。「各社が企業の壁を超えて行動しなくてはならない」(Thompson)

 ただし、この問題には単純な解決策は1つも存在しないと同氏は言う。「これは複雑な問題で、単にPCを保護したり、ネットワークの安全を確保する、といった発想では解決できないものだ」(Thompson)

 同氏によると、この問題の解決には幅広いアプローチが求められるという。確かに、消費者はこれからもセキュリティ対策ソフトをインストールする必要があるが、公共政策についても助けが必要だと同氏は述べ、米議会に対してデータのセキュリティ侵害を取り締まる強力な法律を成立させるように呼びかけた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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