WindowsやMacのルック&フィールが話題となることが多い中、Novellがこのほどリリースした新しいソフトウェアが、Linuxのインターフェースを派手でゴージャスなものに変える可能性がある。
「Xgl」というこのソフトウェアは、コンピュータに内蔵されたグラフィックチップを利用してデスクトップの表示機能を強化し、透明なオブジェクトや3D効果、ズームするウィンドウといった表示を可能にするもの。このソフトウェアを導入することで、テキストの表示速度など、ユーザーインターフェースに関する実用的な部分も改善できると、Novellのデスクトップ開発担当バイスプレジデントNat Friedmanは述べている。
Friedmanは、Xglで可能となる新たな機能のなかには他のオペレーティングシステム(OS)ですでに実現されているものがある点を認めた。だが、同氏はオープンソースのLinuxの場合、事情が異なると考えている。
「オープンソースの世界では、開発者がそのフレームワークを手に入れているところに、われわれが新しいユーザーインターフェースのパラダイムを提供するという状況がいくつもある。これもそうした状況の1つになるだろう。Macではこんなことはできない。Xglを元にしたインターフェースが1000種類登場して欲しいと思う」(Friedman)
Xglの開発を率いるNovellのリードプログラマDavid RevemanはXglのソースコードを先月リリースしていた。そして米国時間2月7日にNovellはXgl用プラグインのフレームワークとサンプルをリリースする予定だと、Friedmanは語った。また、Xglは、Novellの次期エンタープライズ向けSUSE Linux製品にも組み込まれることになっている。この次期バージョンは5月か6月に出荷の予定だ。
ユーザーフレンドリーなインターフェースを実現するうえで、グラフィックスの活用は重要だ。ソフトウェアエンジニアはこれまで、コンピュータを使いやすくしようとして、こうしたインターフェースを開発してきた。ただし、ユーザーインターフェースの中心となるWIMP(ウィンドウ、アイコン、マウス、ポインター=カーソル)のアイデアには、長年ほとんど変化がなかった。
ところが、最近ではグラフィックスに関連する革新的な技術が次々に登場している。Apple ComputerのMac OS Xには新しい視覚的な機能が組み込まれており、また2006年末までに登場するMicrosoftの次期OS「Windows Vista」にも新たな表示機能が搭載されることになっている。Vistaには「Windows Presentation Foundation」(開発コード名「Avalon」)と呼ばれる描画エンジンが搭載される。また同OSには「Sidebar」という機能も含まれるが、このなかにはMac OS Xの「ウィジェット」に相当する簡単なユーティリティ類を表示できる。
だが、Directions on MicrosoftのアナリストMichael Cherryは洗練された画面表示機能がまだ提供していないと同氏が考える何かが欲しいと言う。これらのOSはどれも同じように見映えのする画面表示機能を搭載するが、同氏は「われわれの生産性を引き上げる方法を見つけ出した者こそ、本物の勝者になれる」と述べている。
画面表示機能の向上には実用面でのメリットも
Friedmanは、Xglを開発した動機について、表面的な部分に関する機能を提供することが大きな部分を占めていた点を認めたものの、やはり見た目は重要だと主張した。たとえば、Xglではウィンドウの表示を最小化させると滑らかにタスクバーに吸い込まれていき、また必要な際にはズームアウトさせることが可能だ。この視覚的なギミックによってシステムの理解が容易になると同氏は考えている。
「こうした細々とした事柄によって、デスクトップに物理的な感覚が備わる」(Friedman)
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