今、ブログの世界はビッグバンのまっただ中にある。
Technoratiによると、ネット上にあるブログの数が5カ月半ごとに倍増しているという。同社は、ブログへの書き込みをインデックス化して検索することで、ブログの追跡調査を行っている。
Technoratiは米国時間6日時点で、世界全体であわせて2700万を超えるブログを追跡しているが、これは3年前の約60倍に相当する。Technorati創業者のDavid Sifryは、これらのうち約270万のブログは少なくとも毎週更新されており、1日あたり合計で約120万件の書き込みがあると、「State of the Blogosphere(ブログの世界の今)」という自身のブログのなかで述べている。
「このペースでは、ある問題や話題に関連するものをすべて読むことは文字通り不可能だ。膨大な量のやりとりの中から理にかなったものを見つけ出し、最も興味深く、信頼できる情報をどうやって抜き出すのか、という点が新たな課題になっている」(Sifry)
実際のところ、これらのページの大部分を占めているのは、あまり読者の集まらない個人的な日記の類だ。しかし、ブログ全体でみた場合、ニュース配信の加速、事実確認のための手段、政治活動、PR活動に対する工作などに関して、この新しいメディアは重要な役割を担うようになってきている。
ロサンゼルスで先週開催されたカンファレンスでは、TechnoratiのエグゼクティブバイスプレジデントPeter Hirshbergが、ブロガーの力を示す例として、昨年ドイツ政府が公共のモラル向上のために開始した「Du Bist Deutschland」キャンペーンに対するブロガーの強烈な反応を取り上げた。
このキャンペーンでは、主要企業各社が数百万ドルをつぎ込み、ドイツの有名人と、「君こそドイツだ」という意味のセリフを入れた広告を展開していた。ところが、ブロガーらの間で、同様のフレーズが使われたナチスのキャンペーンを写した古い写真が、瞬く間に出回ってしまった。この写真の中央正面にはHitlerの肖像が配されていた。
このキャンペーンの主催者は激怒し、ブログをトイレの落書きにたとえる怒りの内部メモを配布した。だが、このメモもすぐにネットに流出し、「Du Bist Deutschland」は、Technoratiの統計で最も検索された用語となり、主催者の期待とはかけ離れた反応を集めている。
Technoratiの調査によると、開始から3カ月後の現在も約1370万人のブロガーがこの件に関する書き込みを継続的に行っているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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