「カーマスートラ」ウイルスに感染した疑いがあるシステムを保有する顧客に対し、英国のインターネットサービスプロバイダ(ISP)Easynetが警告を出し始めた。
この「Nyxem.E」などと呼ばれるワームに感染したコンピュータは、感染台数を集計するために設けられたオンラインウェブカウンタにアクセスする仕組みになっている。Easynetによると、同社はこのウェブカウンタへのトラフィックを監視し、ここにアクセスする全ての顧客にウイルスアラートを送信しているという。
ISP各社は、個人利用者に送信されるデータを責任をもって監視することや、企業や消費者を攻撃するウイルスやスパムの脅威が増加し続けていることを怠っているとの批判を浴びている。
「ISPは家庭に生汚水を流し込むのと同じことをしている。自分の家で水をろ過しなければならないと考えている人などいない。これと同じように、利用者が家庭で自分のデータをフィルタリングするのは不自然ではないか」とホステッド電子メールとウェブセキュリティを手掛けるMessageLabsのシニアアナリストPaul Woodは2005年11月に述べている。
米連邦取引委員会(FTC)は5月に、世界各国の機関と手を組み、スパムを送信するコンピュータによる「ゾンビ」ネットワークを撃退するためにISP各社への協力を呼びかける計画であると述べている。
ウイルス対策ソフトウェア会社のF-Secureは同社のブログの中で、今回のEasynetの動きを称賛し、他のISPも攻撃されたと思われる顧客に連絡することを奨励した。
「ISPが顧客にウイルスに関する警告を与えるのは基本的に良いことである。そしてEasynetが積極的にこのような措置を採ったのは大変素晴らしいことだ」とF-Secureのセキュリティ専門家Patrik Runaldは述べた。「たしかに毎日300〜400種ものウイルスが検出されているなかで、ISPが全顧客に対し全てについて警告することはできない。しかし、こうしたケースの場合、非常に素晴らしいアイデアだと思う」(Runald)
F-Secureは他のISPに対しても、「カーマスートラ」ワームに感染したと疑われる顧客に対し、時限式攻撃が予定されている2月3日以前に通知することを奨励した。
F-Secureはブログでこのように述べている。「これは素晴らしいアイデアだと思うので、ぜひ推奨したい。他のISPも同じ措置をとれば、2月3日がくる前に利用者は感染したマシンを修復させることができる」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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