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グーグルの中国向け新サイト--検閲の実態を探る - (page 3)

文:Declan McCullagh(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年01月30日 10時44分
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 「Sexuality Information and Education Council」(Google.cnでは削除)のコミュニケーションディレクター、Adrienne Verrilliによると、同団体のウェブサイトは人命を救うことを目的とした貴重な情報を掲載しているが、検閲プログラムで引っかかることもよくあるという。

 「中国の人々は性的健康に関する優れた情報の入手を禁じられているのだと思う」とVerrilliは言う。「不幸で残念なことだ。われわれのサイトには、HIV/AID関連のものなど、中国の人々にとっても役に立つ情報があるのに」(Verrilli)

 GoogleのBrinは先週、Fortuneの取材に応え、「各国の当局によって削除された情報があれば、検索ページの下部にその旨を知らせる情報を載せる」と述べていた。しかし、われわれがテストしたところ、そうしたメッセージが表示されれたのはチベットや法輪功といった政治問題に関するサイトだけで、Google.cnから削除された他のカテゴリーの情報については表示はなかった。

 Googleは、世界で最も有名な検索エンジン企業だが、同社が検閲関連の問題に遭遇するのは今回が初めてではない。

 CNET News.comが2004年に実施した調査では、Googleの「SafeSearch」というフィルタリング技術が、ドメイン名に「sex」「girls」「porn」といった文字列を含む多くのウェブサイトへのアクセスを誤って遮断していたことが明らかになった。たとえば、「PartsExpress.com」「ALittleGirlsBoutique.com」「RomansInSussex.co.uk」「ArkansasExtermination.com」「BassExpert.com」などは、ポルノ関連サイトと見なされて検索結果から除かれてしまっていた。

 中国政府は、大規模なインターネットのフィルタリングプロセスを導入しており、これを通じて自国民がアクセスできる海外のサイトをコントロールしている(Open Net Initiativeが2005年に実施した調査によると、このフィルタリングは「きわめて徹底している」という)。海外の検索企業には、中国政府によるこのフィルタリングを指針として、各々の中国向け検索リストから削除するウェブサイトのリストを独自につくることが期待されている。

 Human Rights in Chinaのエグゼクティブディレクター、Sharon Homによると、香港とニューヨークに拠点を持つ同グループでは25日に独自のテストを実施したという。このテストでは、Google.comとGoogle.cnで、それぞれ英語と中国語を使った検索を行ったが、たとえば「HRIC」をGoogle.comで英語をつかって検索した場合、同グループのウェブサイトは1番はじめに、また中国語で探した場合も2番目に表示されたという。それに対し、Google.cnで「HRIC」を中国語で検索してみたが、上位100番以内には表示されなかったという。

 Homは、高速な検索サービスを提供するために必要なトレードオフだとして、Googleが自社の(検閲導入)措置を正当化していると述べた。「残念なことに、Googleはその巨大な影響力と技術を中国政府のために役立てようとしている。中国政府は、世界でも最も進んだ監視/検閲の仕組みをすでに手にしているのにだ」(Hom)

 Googleで中国向けに提供される情報が異なるのはウェブ検索だけではない、たとえば、Google.com経由でGoogle Newsにある「チベット(Tibet)」を探した結果、Tibet Houseの長所についての記事や、亡命中のチベットのリーダー、Dalai Lamaのスピーチが見つかり、そして5番めには中国政府に関する検閲についての情報も並んでいた。

 Goolge.cnでの検索結果はこれと全く対照的なものとなった。英語をつかった検索では、チベット関連のニュース記事は4件しか表示されず、その内容もチベットにおける考古学についてのものや、一見ランダムな文章を翻訳したもの、ある少女の初恋に関するもの、ラクダの養殖に関するニュース(このなかには「チベット」に関する記述は1カ所しかない)などとなっている。一方、中国語でチベット関連のニュースを検索したところ、数千のサイトが見つかったが、ただし上位10件のなかには、Googleや中国の検閲など議論を呼びそうなものは1つも入っていなかった。

 また、Google.cnで「チベット」や「自由」といった言葉を含むニュースを英語で検索したところ、表示された結果は0件だったが、同じ検索をGoogle.comで行うと144件の情報が見つかった。

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