EMCは米国時間26日、ストレージおよび仮想化技術製品ラインアップを拡張して発表した。製品ラインは、大容量化された「Symmetrix DMX-3」ストレージアレイから、新たなファイルシステムソフトウェアにまで及んでいる。
予想より早く行われた今回の新製品リリースでは、同社の主力製品であるSymmetrix DMX-3ストレージアレイのエントリーレベルおよびハイエンドバージョンや、「EMC Multi-Path File System for ISCSI(MPFSi)」と呼ばれる新ファイルシステムソフトウェアが発表された。また、既存の「EMC Rainfinity Global File Virtualization」プラットフォームや「EMC Centera」に対する機能強化も公開された。
EMCが階層型ストレージ製品DMX-3やIPストレージソフトウェアラインアップの拡張を発表した背景には、データ保存に関する規制が強化されていることから、同社の競合企業が、ストレージの需要が拡大すると見込んで取り組みを活発化させているという事情がある。
EMCの技術分析担当ディレクターKen Steinhardtは、「DMX-3を拡張したことで、ユーザーは大きな生産性と柔軟性というメリットを得られるようになる。それはちょうど、19インチのテレビを極限まで大きくしていき、その間も映像を途切れなく見続けられるようなものだ」と話している。
エントリーレベルのDMX-3ストレージアレイには、96個のディスクドライブが搭載され、一方のハイエンドバージョンには、最大2400個のドライブを積むことができる。また今回の改良では、ハイエンドバージョンの容量を1ペタバイト以上(1024テラバイト)にまで拡張できるようになった。こうした新機能が実装された結果、1つのアレイにより多くの情報を保存し、DMXプラットフォームから多層型のストレージを管理することが可能になっている。
EMCは、IPネットワークにおける大容量ファイルの移動を高速化するMPFSiソフトウェアも発表している。このソフトウェアは、IPネットワーク上で大きなデータを転送するのにiSCSIプロトコルを用いる、一般的なNetwork Attached Storage(NAS)で使用するようデザインされている。EMCの見積もりによると、データ転送のパフォーマンスは4倍になるという。
EMCのストレージ/プラットフォーム/オペレーション部門バイスプレジデントDavid Donatelliは、米国時間26日に開催されたアナリスト向け発表会で、「われわれはIPストレージにおける問題を解決し、エンタープライズによる使用に耐えうるよう製品を改良した」と発言した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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