Microsoftは米国時間1月25日、「Windows Server」の一部のソースコードにアクセスする権利を競合他者に認める意向を明らかにした。これは、欧州の規制当局が同社に科した、1日当たり最高245万ドルという罰金の支払いを避けるためである。
だが、欧州委員会(EC)が公開を求めていたのはサーバプロトコルで、Microsoftがこのたび提出したサーバのソースコードを受け入れるかどうかはまだ分からない。ECによると、Microsoftは問題を検討するという公式発表を行ったが、ECが2005年末に提出した異議勧告に対しては正式な回答を得られていないという。Microsoftは、2006年2月15日までにこの異議勧告に対応しなければならない。
ECは2005年12月、2004年3月の裁定にMicrosoftが従わなければ、最高200万ユーロもしくは1日当たり245万ドルの遡及的な罰金を科すと警告していた。この裁定は、支配的な地位にあるMicrosoftのオペレーティングシステム(OS)と競合製品との相互運用性を増進するため、同社にサーバプロトコルを提供するよう求めたものだ。Microsoftはこれとともに、同社のメディアプレイヤーを同梱しないタイプのOSを提供することも命じられていた。
同社はこの裁定に異議を申し立てており、裁判は欧州第一審裁判所で2006年4月24日から28日の間に行われる予定だ。ただし、裁定が下されるまでには1年以上かかると考えられている。
Microsoftは、ソースコード提供に関する発表の中で、ECによる2004年3月裁定で開示を指示された技術のサーバコードライセンスを供与する意向を明らかにしている。ECの異議勧告に従うため、Microsoftはソースコードを公開して、ECが提議したあらゆる問題や異議を「完全に」解決する手段とすると述べている。
Microsoftの法律顧問Brad Smithは、「Windowsのソースコードは、Windows Server技術の核心的なものである。Microsoftはこれを開示して、当社の技術文書の十分性に関するすべての問題を解消することを目指している」と、声明の中で語った。
Windows Serverのソースコードを公開したばかりでなく、WindowsのデスクトップOSについても同様の提供を米司法省に対して行ったと、Microsoftは述べている。これが許諾されれば、2002年の司法省との合意に基づき、開発者が現在アクセスできるようになっているプロトコルに代わり、Windowsデスクトップのソースコードが利用されることになる。
Microsoftは米国における反トラスト訴訟に対応するため、デスクトップのソースコードを開示したが、司法省の広報官によると、同省はWindows Serverのソースコード開示を求めており、現在もMicrosoftと交渉を重ねているという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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