過去1年半値上がりを続けたGoogle株価が米国時間20日、8.5%値を下げて1株あたり399ドル46セントになった。これは1日の下げ幅としては同社最大となり、出来高も4100万株以上と、2004年8月18日の上場以来最高を記録した。
Googleの株価下落は、市場全体が下げたなかでの値動きではある。しかし、ウェブ検索データの開示を求める米司法省の要請に同社が従わなかったという報道が関係しているとの見方もできる。Yahoo、AOL、およびMSNは召喚状に従い、無作為のウェブ検索およびインデックス化されたウェブサイトに関する情報を提供したが、Googleはこれを拒否している。
WR Hambrechtは、「Confusion from DOJ issues creates buying opportunity for Google(司法省問題による混乱はGoogle株購入のチャンス)」という調査レポートで、今回の下落を利用して同社株を購入するよう投資家に推奨している。
「市場がこのニュースに対して否定的な反応を示すことで、Googleの株価は下がると思われる。だが最終的には、競合各社が政府の圧力に屈してもGoogleはめげず、ユーザーベースを維持してトップの座にとどまると信じている。したがって、同社へのトラフィックや、それにともなう広告収入が短期的に減少することはなく、予想通りの動きが続くと考えている」(同レポート)
米政府は、1998年の児童オンライン保護法(Child Online Protection Act:COPA)を復活させようとしている。これは、未成年に有害だと思われるポルノなどの素材を公開する商用ウェブサイトを違法と定義するもの。現政権は、ウェブのフィルタリングソフトウェアには効果がないとする自らの主張を裏付ける目的で、情報提供を要求している。
Googleは、インデックス化した無作為のウェブアドレス100万件と、特定の1週間に使用されたすべてのキーワードを求める政府の要請は行き過ぎであり、指定範囲も広すぎる、と主張している。ただ、これらの情報から個人のユーザーを特定することはできない。
プライバシー擁護団体はGoogleの対応を高く評価している。米政府が召喚状で求めるウェブ検索データは個人を特定することはできないが、将来的には要請の内容が拡大し、ウェブユーザーのプライバシーを侵害する可能性があるという。
しかし、これほど大量のデータを1カ所に集めているGoogleなどの検索エンジン各社は、政府にとって魅力的な情報源であることには間違いはなく、調査の度合いが増してくれば標的になることは容易に想像できる。
今回の件では、プライバシーに対する懸念に合法性があるかが公に判断され、初めての判例が出される。また、ネットの利用増と個人のプライバシー侵害の危険とのジレンマも浮き彫りになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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