国内のPDA市場は、時期によって幅はあるものの、もともとそれほど大きな市場ではない。最近ではPocket PCも法人向けやネットでの通信販売に限定されることが多くなり、店頭で見かけることも少なくなっていた。PDAと同列で扱われることが多かったスマートフォンも、FOMAの「M1000」やVodafone「702NKII」といった端末が登場しているが、やはりビジネス利用や一部のコアなユーザーだけが活用するという状況が続いていた。
しかし、今回のW-ZERO3がここまで人気を集めたのは、なぜか日本では発売されてこなかった、QWERTY配列のキーボード付きスマートフォンであるという点であるという点がやはり大きいのではないだろうか。Windowsパソコンとスケジュールや連絡先がシンクロできたり、Microsoft Word、Excel、PowerPointなどのビジネス文章が読めたりという点ではM1000も702NKIIも対応しているが、両方ともキーボードは搭載されていなかった。
W-ZERO3のこの異常な品薄状態は、2006年1月中旬には増産分が追いついて解消されると言われており、逆にそれ以降急速に注目度が下がるのではないかと言う人もいる。が、私は案外その後も普及するのではないかと思う。Blogger&SNSユーザーの御用達端末として、コアなPDAユーザー以外にもアピールできる可能性があるからだ。
ただ、実勢価格39,800円という安さと小ささにひかれて、「小さなパソコン」として使いたいだけなら決しておすすめしない。数年前のWindows CEやPocket PCから見ればもちろん進化してはいるが、Windows Mobile 5.0はまだまだOSとしてはWindows XPほど気軽に使えるOSではない。自分なりに快適に使えるよう設定するには、手動での設定項目も多く、それなりにパソコンの知識が必要で制限も多い。便利なオンラインソフトが英語版だけということも多々あるので、それでもひるまないで使える人、わからないことが出てきたときに調べることが苦にならない人でないと、かなりストレスがたまるだろう。
パソコンのスキルとしては、ケータイやWindows XPと比べるとそこそこ知識も必要で設定に手間もかかるので、「猫も杓子も」といったはやり方はしないだろうが、ウィルコムの定額プランの充実ぶりを考えても、急激に人気がなくなるということも考えづらい。幸い、ネット上には便利なオンラインソフトが数多く公開されているので、ある程度カスタマイズは必須と考えて利用しよう。
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