著作権を保有する企業と技術開発者が激しく争うことが多くなった今日、ひとつの問題が米国時間15日、企業側の謝罪という珍しい形で解決した。
12月初め、音楽出版社のWarner/Chappell Musicは、オーストリア在住の開発者Walter Ritterに文書を送り、Ritterが開発してオープンソースとして公開している「pearLyrics」に関して苦情を訴えた。このソフトウェアを利用すると、ウェブサイトから楽曲の歌詞が検索でき、Apple Computerの「iTunes」にインポートできる。
文書を受け取ったRitterは、すぐにpearLyricsの公開を停止した。だが、この一件がウェブで話題になった後、Warner/ChappellのCEO、Richard BlackstoneはRitterに電話をかけ、文書を送ったことを謝罪し、共同で作業することを提案した。
Ritterが運営するPearworksウェブサイト上には15日、短い謝罪文が、BlackstoneとRitter連名の声明文の形で掲載された。
「Warner/Chappellが先日Pearworksに送った文書の目的は、pearLyricsが(合法的な)主義にのっとって運営されていることを確かめるためだった。しかし、この文書は、この目的を伝えるには、語調と内容の両面において不適切だったと思われる。Warner/Chappellはここで、Walter Ritterおよび(コミュニティの)Pearworksに対し、謝罪の意を表する」と声明文には書かれている。
今回の一件は、歌詞情報を掲示するウェブサイトと、著作権を保護しようとする側とで、緊張が高まっていることを示している。
音楽出版社各社は、楽曲の歌詞、および演奏方法を示す楽譜は、著作権を保有している自分たちの作品の一部であり、録音されたアーティストの演奏と同様に、オンラインで無償に提供されるべきではないと考えている。音楽出版社らはすでに、この問題が原因で知名度のあるウェブサイトを閉鎖させており、来年には訴訟を開始すると警告している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス