BitTorrentを利用して映画作品の著作権を侵害したとされる香港の男性に有罪判決が下された。この種の訴訟で有罪判決が下されたのは、今回が初めて。
台湾の英字新聞「The China Post」によると、Chan Nai-Mingという人物(38歳、無職男性)はPtoPファイル共有技術のBitTorrentを使い、3本のハリウッド映画を違法に配布したとして、今回の有罪判決を言い渡されたという。
ファイル共有ソフトを使って、著作権で保護された映画作品「Miss Congeniality(邦題:デンジャラス・ビューティー)」「Daredevil(邦題:デアデビル)」「Red Planet(邦題:レッド・プラネット)」を配布したNai-Mingは2005年1月に、税関職員に逮捕された。
Nai-Mingは無罪を主張したが、4日間の公判を経て有罪判決が確定した。具体的な処罰の内容は11月7日に言い渡される。
BitTorrentは、PtoP技術を利用してインターネットから大容量のファイルをダウンロードできるソフトウェアのうち、高い人気を博しているものの1つである。BitTorrentは、Bram Cohenが作ったオープンソースソフトウェアだ。
BitTorrentを使うユーザーは、大容量ファイルを単一ユーザーからでなく、多数のユーザーから部分的にダウンロードすることができる。以前、このプロセスを管理するために、同プログラムはトラッカーというファイルのホスティングを行う中央サーバを必要としていたが、開発者のCohenは2005年5月にトラッカー不要の新バージョンを発表した。これを受け、BitTorrentはますますスパイウェアやアドウェアの配布に悪用されるようになったほか、大容量ファイルをダウンロードする際に最も広く利用される手段の1つとなった。
利用者数が増加する一方で、ファイル共有ネットワークに対する法的な圧力は高まっている。レコード会社や映画会社も過去数年間で、何千人ものユーザーを相手取った著作権侵害訴訟を起こしている。2005年6月には米最高裁判所は、PtoP企業に対し、自ら運営するネットワーク上で行われた著作権侵害行為の責任を問われるべきだという判決を下した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス