Microsoftは米国時間12月7日、環境破壊を心配する声に応え、すべてのポリ塩化ビニールプラスチック(PVC)の使用を2005年末までに完全に廃止すると発表した。
Microsoftは、Apple ComputerやDell、Hewlett-Packard、ソニー、シャープ、Samsungといった大企業の動きに続き、製品梱包時のPVCの使用を取り止める。
環境団体や医療団体によれば、PVCは製造過程や焼却時に、有害なダイオキシンを発生させるという。ダイオキシンは複数の研究において、ガンの発生や免疫力の低下、生殖器官の異常との関連性が指摘されている。
Microsoftの企業関連部門バイスプレジデントPamela Passmanは声明のなかで「PVCが環境にもたらす長期的な影響はよく知られている。われわれの取り組みによって、2005年7月以降だけで、梱包に使用されるPVCを推定36万1000ポンド(約164トン)削減できたことを誇りに思っている」と述べている。
Microsoftは2004年、2005年末までにPVCの使用を全廃するという目標を定めた。同社はOfficeやWindowsといった製品の梱包にPVCのクラムシェルパッケージを使用してきた。Passmanは、12月31日までにその使用を廃止する目標を達成できそうだと述べている。MicrosoftはPVCの代わりにポリエチレンテレフタレート(PET)製の梱包材を使用し始めている。
Center for Health, Environment and Justiceの脱PVCキャンペーンを取りまとめているMichael Schadeによると、Microsoft以外の企業もPETや段ボールのような梱包材に切り替えつつあるという。
PVCは、エレクトロニクス業界においては電子部品の梱包材や保護材、あるいはケーブルの被覆材としてよく使用されている。ケーブルにPVCを使用する企業は、代替原料を探すのに苦労しているとSchadeはいう。
Microsoftは、顧客から(PVCの使用に対して)懸念を表明する手紙を受け取ったこと、そして米国以外の国でPVC製梱包材の影響評価が開始されたことを受けて、PVCの使用を全廃する方法について2003年から検討し始めたと、同社で環境問題を扱う弁護士を務めるJoan Krajewskiは声明の中で述べている。
Microsoftはまた、パートナー企業に対し、同社製品を再梱包する際には、PVC梱包の使用をやめるように要望している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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