急成長するNAND型メモリ市場--iPodなどの携帯機器で拡大

Michael Singer(CNET News.com)2005年11月22日 20時04分

 iPodやデジタルカメラといった消費者向け携帯機器に対する需要の堅調な伸びにより、フラッシュメモリ市場は470億ドル規模に成長する、と一部のアナリストは見ている。

 IntelとMicron Technologyは米国時間21日、総額52億ドルの合弁事業を発表した。同事業は当初、Apple Computer向けのNAND型フラッシュメモリを製造することを目的とする。これは、フラッシュメモリ市場の今後の成長を暗示する動きといえる。

 NAND型フラッシュメモリはすでに、デジタルカメラ、携帯電話、USBメモリ、さらにAppleの「iPod nano」や「iPod shuffle」に代表される携帯音楽プレイヤーなど、消費者向け携帯機器に広く利用されている。

 「すでにPCに内蔵されているフロッピーディスクドライブに代わり、USBメモリに採用されているNAND型フラッシュがデータ転送手段の主流となっている。その主な理由としては、NAND型フラッシュのメモリ密度の増加が挙げられる」と、調査会社Semico Researchのアナリスト、Jim Handyは指摘する。

 Handyによると、映像の保存用として磁気テープやミニDVDといったさまざまなストレージフォーマットが使用されているビデオカメラにもNAND型フラッシュが搭載される見込みだという。すでに一部のメーカーが、NAND型フラッシュに移行している。松下電器は最近、データ保存用メディアにSDカードを使用する同社のビデオカメラ「SDR-S100」にNAND型フラッシュを導入した。

 NAND型フラッシュメモリの人気があまりにも高いため、同メモリの製造販売サイクルは、すでに姉妹製品のNOR型フラッシュメモリを上回っている。Semicoによると、2005年のNAND型フラッシュの売上総額は102億ドル以上と見られ、一方のNOR型フラッシュの同期間の売上総額は76億ドルの見込みだという。

 NOR型フラッシュメモリは、携帯電話やネットワーク機器など(ハードディスクが使用できない環境)で、プログラムの保存用として使用されている。

 半導体の販売傾向を調査している米半導体工業会(SIA)は最近、2006年のNAND型フラッシュメモリの売上総額が、前年比15.9%増の210億ドルに達するとの見通しを示した。さらにSemicoは、2009年にはおよそ350億ドルにまで増加すると見ている。また、NAND型とNOR型を合わせたフラッシュメモリ市場全体の売上総額は、2009年に470億ドルにまで増加すると見られている。

 NANDフラッシュの現在の販売価格は、1Gバイト当たりおよそ45ドルだが、Samsungは自社製NANDフラッシュを1Gバイト当たりおよそ35ドルでAppleに販売する契約を結んでいる。SamsungのAppleへの販売価格が一般的な市場価格とかけ離れていることから、韓国政府は、Samsungが自社製品を韓国企業向けの販売価格よりも安い価格で海外の企業に販売しているのではないかとの疑念を抱き、調査に乗り出した。

 調査会社Web-Feet Researchのアナリスト、Alan Niebelは、IntelのNAND型フラッシュ市場参入などによるNAND型フラッシュの生産量の増加が、消費者向け電子機器の価格低下に寄与すると見ている。

 Niebelは、「各コンポーネントの密度と容量の増加により、長期的に見てNANDの価格は低下し供給量は増えるため、大変安い価格で入手できるようになる」と述べた上で、Samsungはすでに16GビットのNAND型フラッシュメモリを開発しており、2006年に発売予定だと付け加えた。現在、東芝、日立、Micronといった企業が販売しているのは、8GビットのNAND型フラッシュだ(8GビットNAND型フラッシュメモリ1つで、1Gバイト分のデータを保存可能)。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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