MicrosoftのSQL Server開発チームは、SQL Server 2005の開発作業において痛い教訓を学んだ。それは、顧客が5年間もアップグレードを待ち続けられないということだ。
今後は、「Software Reengineering Initiative(SRI)」と呼ばれる新たな開発体制を敷き、新機能が間に合うか否かに関わらず、アップグレード版を2年毎に確実にリリースすると、SRIチームを率いるMark Souzaは述べた。
2002年夏に「Microsoft Software Assurance」ライセンスプログラムに加入した多くの顧客にとって、SQL Server 2005のリリースを待つのはとても辛いことだった。Software Assuranceプログラム売り文句の1つとしてアップグレード費用が含まれている点が挙げられていたが、一部のアナリストらは当初から、このプログラムが顧客にとって不利に働く可能性があると指摘していた。
2002年から3年が経ち、最初のSoftware Assurance顧客の契約期間が切れる際に、アナリストらの警告は現実のものとなった。Exchange Server、SQL Serverのいずれの製品においてもアップグレードがなされる気配がなかったからだ。
11月入り、SQL Server 2005をやっと発売したMicrosoftは、同製品のリリースについて反省すべき点があったことを認めている。Souzaは、11月15日にバルセロナで開催された「Microsoft IT Forum」でZDNet UKに対し、「われわれは、もっと早い時期のリリースに期待していた顧客をケアしたいと思っている。われわれが得た教訓は多い。しかし、これは単にアップグレードの話というだけではなく、メンテナンスについての話でもあることを認識する必要がある」と語っている。
Souzaによれば、開発チームは、2年のリリースサイクルを守るにはエンジニアリングプロセスを変更しなければならないという大きな教訓を学んだという。
同氏は、「SQL Serverは2年毎に発車(リリース)する列車に乗ることになる。発車する時までに用意できない機能は、次の列車を待つことになる。SQL Server 2005では、80%以上もの機能ができていたのに、この製品のエンジニアリング形態からくる制約により、それらだけをリリースすることができなかった」と述べている。
SRIによってもたらされた最大の変更はおそらく、テスト工程に関するものだろう。これについてSouzaは、「以前は、個々のグループが単体の機能を開発/テストし、その後、その機能を使用する他のすべてのコンポーネントをテストしなければならなかった」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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