しかし、Googleの法律顧問David Drummondは、同社の計画について、米国著作権法の「フェアユース(公正使用)」条項に分類されるもので、特定の状況では著作権者の承認を得る必要がないと主張している。
米作家協会(Authors Guild)は9月にGoogleを提訴し、先月には米国出版社協会(AAP)がMcGraw-Hill、Simon & Schuster、John Wiley & Sons、Pearson Education、Penguin Groupを代表してGoogleを提訴した。
米作家協会や米国出版社協会は、著作権で保護された書籍を完全に複製することは、たとえ検索だけが目的であっても、調査、報道、教育が目的の「フェアユース」で認められた例外には当たらない、と主張している。
「Googleが書籍の完全な複製を作成しながら、それをフェアユースだと主張していることが問題だと思う」(Oman)
GoogleのCEO(最高経営責任者)、Eric Schmidtは批判意見に対し、この計画に反対を唱える者は「ある作品の完全な複製を作り出す、あるいはインデックス化するだけにしても、それは公正使用にあたらないと主張するかもしれない。だが、もしその主張通りなら、テレビ番組を録画して後で見ることも、数十億というウェブページをインデックス化した検索エンジンを利用することもできないことになる」との見解を、10月25日付けのThe Wall Street Journalに寄稿した記事の中で示した。
オックスフォード大学でInternet Governance and Regulation(インターネットの管理と規制)講座を教えるJonathan Zittrainは、著作権で保護された作品の抜粋を表示することは「楽曲の歌詞の一部を聴くようなものだ」と語る。Zittrainらはさらに、Googleのプログラムは、ほとんど目に触れることのない書籍を人目に触れさせるため、非常に有益なものになると主張する。
著作権で保護された素材のフェアユースを判断する主な基準は、その正確な用途だ。Googleは書籍の販売から一切利益を得ず、図書館の蔵書検索結果ページには広告を掲載する計画もないと明言しているが、利用が営利目的であることはDrummondも認めている。
著作権専門弁護士のJonathan Bandは「E-Commerce Law & Policy」8月号に寄稿した記事のなかで、Google Print Library Projectは検索エンジンのインデックス化と同じで、こちらについては米国の裁判所で争われたケースはまだないと述べている。
Omanによると、裁判所は作品の特性を検討し、これが事実に基づくものか、著作権で保護された素材の創造的な利用であるかを判断するという。また、専門家によると、これによりGoogleが著作権で保護された原作の代替品を提供しているのか、それとも「変換物」だと見なされる何か別のものを提供しているのかが判断される可能性も高いという。
「われわれが進めているのは、著作権で保護された素材、つまり元になる作品の変換作業だ」とDrummondは述べ、さらに「われわれは原作の検索に役立つ電子版のカード目録を作成しているのだ」としている。
さらに裁判所は、著作権で保護された素材がどの程度利用されているのかも検討し、公正使用だとされるものが市場に与える影響についても判断することになる。
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