Yahooによると、同プロジェクトでデジタル化の対象となるコンテンツを提供するのは、カリフォルニア大学群、トロント大学、European Archive、英国立公文書館、O'Reilly Media、Prelinger Archivesだという。また、提供されるコンテンツには、書籍、スピーチ、会話などの音声、映像、音楽などが含まれるという。
UCの副学長補佐兼California Digital Library館長を務めるDaniel Greensteinによると、UC内にある10カ所の大学図書館には、およそ3300万冊の書物が所蔵されているが、そのうちのおよそ15%は著作権が消滅しているという。
出版業界は、オンライン上で書籍の無料閲覧/ダウンロードが可能になれば、人々は書籍を購入しなくなるのではと懸念を抱いている。しかし、Greensteinによると、インターネット上で書籍が容易に発見できるようになることで、人々が書籍に接する機会が広がり、その結果、書籍の売上は減少するどころかむしろ増加する可能性が高いという。
Greensteinは、「人々は、書籍の存在を知れば、その書籍を購入する。この傾向を示す十分な証拠はある。そのため、出版物の売上は増加するか、変わらないかのどちらかだ」と述べ、さらに「少なくとも、出版済みの書籍を自由に閲覧可能にすることで書籍の売上が減少するというデータは、一度も見たことがない」と付け加えた。
カリフォルニア大学出版局のディレクター、Lynne Witheyによると、同出版局はOCAのプロジェクトに参加する可能性が高いという。Witheyは「デジタル形式で保存される書籍や定期刊行物の入手機会が広がるのは、大いに賛成」と述べ、さらに「作家の著作権を尊重し、また出版社が事業を継続できるような方法でそれが実行できれば素晴らしい」と語った。
カリフォルニア大学のAcademic Counsel Special Committee on Scholarly Communicationで委員長を務めるLawrence Pittsによると、OCAのプロジェクトは、学術関係の論文や書籍をより多くの人々が閲覧できるようにすることにより、学術研究の改善の一助となる可能性があるという。また出版業界では、書籍の出版数や印刷部数を削減する傾向が広がっているが、同プロジェクトにより、再び増加に転じる可能性もある、とPittsは指摘する。
学術関係の出版社が出版する書籍の価格上昇は、大学が購入する書籍の数が減少していることを示している、とPittsは指摘する。例えば、それらの出版社は、2、3年前には書籍1冊につき1万2000部を印刷していたが、現在はわずか250部に過ぎないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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