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グーグル、サンフランシスコ市の無料Wi-Fiサービス計画に名乗り

Elinor Mills (CNET News.com)2005年10月03日 10時46分
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 Googleがサンフランシスコ市全域で、無料で使える高速無線インターネット接続サービスを提供するとの提案を行ったことに対し、一部ではプライバシーの問題を懸念する声があるものの、現在よりも多くの地域でより多くの人々が高速ウェブアクセス回線を使えるようになるとして、これを評価する声も上がっている。

 Googleの広報担当Nate Tylerは米国時間1日、同社がサンフランシスコ市長Gavin Newsomからの要請に応えて同提案を行ったことを認めた。同市では80万人の市民に高速無線インターネット接続サービスを無償で提供する計画を進めており、いくつかの企業にこれに関する提案を打診していた。

 Tylerによると、Googleの提案したサービスはサンフランシスコ市内限定で、同社ではこれをベイエリア以外の地域にまで拡大する計画はないという。Googleはすでに、カリフォルニア州マウンテンビューにある本社周辺でこの種のサービスを実験的に提供しており、またサンフランシスコのダウンタウンではWi-Fiアクセスポイントの運営にも参加している。

 サンフランシスコ市当局が、入札に応じた複数の企業のなかから委託先を選定する時期は明らかでないが、複数の報道によるとこのサービスは来年に開始される見通しだという。

 「これは、必要なときに、必要な場所で、関連する情報を検索可能にする新しい位置ベースのアプリケーションやサービスを進めるにあたり、サンフランシスコをその試験の場にするチャンスでもある。このネットワーク上で開発されるサービスは、最終的にエンドユーザーやGoogleと提携する各社にメリットをもたらすことになる」(Tyler)

 だが、一部にはこの見通しに対して懸念を抱く人々もいる。「Googleがユーザーの行動についてさらに多くの情報を握ることになる」と、Data Clone Labsというセキュリティ情報企業のマネージングパートナーIra Victorは述べている。

 Charles Jadeというブロガーは、Ars Technicaのウェブサイトに、「未解決の疑問が数多く残っている。なかでも最も重要なのがプライバシーの問題だ。Googleはユーザーを監視するのだろうか。プロの活動家や元コミュニストを多く抱えるサンフランシスコのような都市が、このような妥協を支持する可能性は低そうだが、いずれにしてもまもなく結果が分かる」と書き込んでいる。

 しかし、GoogleによるISP分野への参入が、インターネットへの対応が遅く、価格競争を渋ってきた通信業界に揺さぶりをかけることになるだろうという者も多い。

 Simon Buckleというブロガーは、「このようなネットワークが米国のほかの主要都市にも導入されるまで、あとどのくらい待たされるのだろうか。これで、インターネットへのアクセスに課金するというISPのビジネスモデルが覆される。もちろん、もっと高速な接続を望む人々の市場もあるが、十分使い物になるものが提供されれば、高い料金を払う必要もないだろう」と書いている。

 「今後はこうしたアプローチをますますよく目にするようになると思う」とBuckleはいう。「われわれはサービスベースのモデルに向かっている。つまり、基本的なサービスは無料で、さらにそれ以上の何か--帯域幅や機能が欲しい場合は、それにお金を払うというモデルが増えていくだろう」(Buckle)

 あるブロガーは、これが米連邦議会にも影響を与える可能性があるとの憶測さえ口にしている。

 「連邦議会ではTelecom Actの見直しについてさまざまなアプローチを検討中だが、Googleによるブロードバンドアクセス市場への参入が、この件の今後の展開に影響する可能性さえある」と「IP & Democracy Web」というウェブサイトを運営するMitch Shapiroは記している。「GoogleによるWi-Fiサービスは、ネットワークの中立性や、自治体によるブロードバンド(接続サービス提供)、それにプライバシーなど、さまざまな議案で触れられているより難しい問題に関わっている」(Shapiro)

 このほか、このサービスが無料で提供されることや、従来のダイヤルアップ接続に比べてかなり高速な300kbpsのデータ転送速度を実現することを歓迎するブロガーもいる。

 Make You Go Hmmというウェブサイトでは、あるブロガーが「300kbpsのサービスを無料で使えるというのは悪くない。いつになったら他の大都市でもこのサービスが提供されるようになるのか、というのが次の関心事だ。がんばれ、Google」と記している。

 市民によるジャーナリズムを提唱するDan Gillmorは、この計画から得られるメリットがリスクを上回っているとの結論を下している。

 「この文脈で『無料(free)』という言葉を使うのは問題がある。Googleはこの実験でコストを上まわる見返りを得られると見込んでいるし、また同社はユーザーがこのネットワークでどんなことをしているかに関してあらゆるデータを蓄積することになる(Goolgeのプライバシー問題がまた浮上する。この問題は今後何度も出てくるだろう)」と同氏は自らのブログに記している。

 「それでも、この技術革新がもたらす潜在的な影響は非常に大きい。Googleがこのサービスで何をするか、とくにVoIPサービスを拡大させている同社がこれで何をするかに私は期待している。既存の大手通信会社--(Google以外の入札者である)SBCとComcastは心配しているかもしれないが、だとしたらなんと素晴らしいことか」(Gillmor)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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