気象専門家、高精度の予測技術を要求--米議会委員会

Anne Broache (CNET News.com)2005年09月21日 16時04分
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 「カトリーナ」のような大型ハリケーンの進路を予測するうえで気象専門家は力を発揮してきたが、高潮予測分野においてもっと高度な技術が必要だと米国時間20日に開催された議会委員会で専門家らが発言した。

 防災と予知に関する米国上院商業委員会小委員会が召集した聴聞会でDavid Vitter上院議員(共和党ルイジアナ州選出)は、「驚くべきことに、米ハリケーンセンターはカトリーナが上陸する56時間も前に正確な予報を発表していた。これはニューオリンズからニューヨークまで車で2回、しかもゆっくり睡眠をとりながら移動するのに十分な時間だ」と発言した。

 聴聞会で証言者らは、ハリケーンの進路を予測するために気象専門家が使うスーパーコンピュータはここ数十年でずいぶん進歩してきたと述べた。また、ハリケーンの進路予測で使用する観測データを提供する気象ブイを数多く設置したことも精度の向上に貢献した。

 しかし、アラバマ大学沿岸気象センターで気象学を教えているKeith Blackwell助教授によると、これらのスーパーコンピュータは依然としてあまりにも遅く、正確な予報を行うのに十分なデータ密度を必ずしも備えていないという。

 「コンピュータによる進路予測シミュレーション結果を早く得るために、予報官は、重要な物理的プロセスの計算や、シミュレーションモデルでの使用を省略せざる得なくなっている。これが重大な予測エラーにつながり、多くの場合、予測モデル間の連続性を損なっている」とBlackwellは述べた。

 モデリングシステムがより高度なものになるまで、「ハリケーンが思いもよらない進路をとってしまうことがあるため、住民を避難させるうえで、われわれは引き続き問題を抱えるだろう」と同教授は付け加えた。

 ルイジアナ州大学ハリケーンセンター所長のMarc Levitanは、同センターがハリケーン「カトリーナ」の高潮が、周囲の堤防を越えてニューオリンズ市内に押し寄せる恐れがあるというシミュレーションモデルを提示していたと述べた。

 しかし、今のところ、同センターのいずれもシミュレーションモデルも今回発生したような堤防決壊を予測することはできないと同氏は述べた。

 「予測の観点で欠けているのは人間に対する影響だ。風害がどの程度になるか、どれだけの建物が浸水するのか、犠牲者の数はどの程度になるか、救助が必要かどうかなど、現在の科学はその領域まで達していない」とLevitanは述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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