カリフォルニア州レッドウッドショア/サンマテオ発--「信じられない」。米国時間12日朝、カリフォルニア州サンマテオにある本社敷地内で一服していたSiebel Systems社員が、黒いジープから降りてきた同僚にまず発したのは、驚きの声だった。
しかし、それは単に会話のきっかけにすぎなかったのかもしれない。インタビューに応じた数人のSiebel社員は、確かにOracleによる買収のニュースに困惑し、匿名を希望したが、あまり驚いた様子は見せなかった。何人かは、Oracleが昨年PeopleSoftを買収した際に数千人が解雇されたことを思い出し、自分の仕事がどうなるか心配だと述べた。
「業績を改善しないと、わが社が買収されるのは明らかだった」とあるSiebel社員は述べた。同社は近年、業績不振にあえいでおり、ここしばらく買収のうわさが絶えず、最高経営責任者(CEO)のMike Lawrieが4月に退社してからは特にうわさが高まっていた。
買収のニュースは、すぐに広まった。あるSiebel社員が携帯電話の電源を入れたら、すでに11通のメッセージが入っていたという。「テロ攻撃か、高速での大事故か、今回の買収のような話だと思った」と同氏は述べた。
この社員は、自分が職を失うことになるだろうと述べた。「技術者でもないし、販売員でもない。どこかほかで仕事をすることになるだろう」と同氏は述べた。
あるSiebelエンジニアは、買収に関するニュースを東海岸にいる同僚から聞かされた。同エンジニアは、買収はシリコンバレーの伝統にのっとったものだと述べた。「どの企業にも起こり得ることだ。大企業が規模の小さい企業を買収するのはここでは当たり前のことだ」と同エンジニアは述べた。買収によって一部の社員は職を失うことになるだろうと述べたが、自分は心配ないと付け加えた。
Siebelの何人かのエンジニアたちは、OracleのCEOであるLarry Ellisonが米国時間12日午前に、SiebelのCRM(顧客関係管理)テクノロジーが、今後のOracleのCRM戦略の「中核」になると約束したことで、安心しているようだった。
別のSiebel社員は、OracleとSiebelの社風はうまく一体化されるはずだと述べた。「大勢のOracle元社員がここで仕事をしているので、両社の社風が大きくぶつかることはないと思う」と同社員は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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