Siebelが発表した第2四半期の売上予測値は、金融アナリストらの予測を下回るものだった。だがその中でも、アプリケーションホスティングサービスの売上は前期より成長している。アプリケーションホスティングサービスは、同社の業績改善のカギを握ると見られる。
George Shaheenは2005年4月にSiebelのCEOに就任した際、同社ではそれまで、アプリケーションホスティングサービスを展開するSalesforce.comなどのライバル企業が自社の顧客を奪っていくのを「黙って見ていた」ことを認めた。その時以来、ShaheenはSiebelのホスティングサービスを、失った顧客を取り戻し、ソフトウェアの売上を増加させる有力な手段と位置付けてきた。
Siebelは米国時間7日、第2四半期の売上高が3億1200万〜3億1400万ドルになる見込みであることを発表した。Reuters Estimatesは、この数値が、ウォール街の金融アナリストの予測値である3億1850万ドルを下回ると述べる。しかし、この数値の中には、明るい材料が1つだけ含まれている--アプリケーションホスティングサービスの売上が第1四半期から倍増しているのだ。
Siebelによると、ホスティングサービス「Siebel CRM OnDemand」の売上高は第2四半期に約2000万ドルに達する見込みという。これは、4月30日締めの2006年会計年度第1四半期に5800万ドル以上の売上を計上したSalesforceと比較すると、微々たる数字だ。それでも業界観測筋は、アプリケーションホスティングサービスの売上が急成長していることはSiebelにとって喜ばしいことであり、このニュースは間違いなくホスティング分野での競合が過熱してきたことを裏付けるものだと見ている。
オンデマンドアプリケーションは、当該ソフトウェアのデータおよびプログラムを保守するベンダーによって、ユーザーが利用する建物から離れた場所で運用されるソフトウェアだ。従来のエンタープライズソフトウェアと比べて多数の利点があると、これを支持する人々は口をそろえている。迅速に導入できる、全般的なコストが低い、操作性の向上が図られているなどが、そうした利点であるという。
また、Salesforceのようなホストアプリケーション企業は、顧客が利用する「サービスとしてのソフトウェア」の料金を、レンタル料のように月ごとに徴収する制度を設けている。通常のように、ソフトウェアライセンス料を事前に支払わせたり、数カ月の契約期間を設定したりはしていない。
市場調査会社IDCによると、米国のオンデマンドソフトウェア市場は年複合成長率28%で推移し、2009年までに48億ドル規模に成長する見込みだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」