リサーチ会社iSuppliが、2005年の半導体売上予測を下方修正すると同時に、半導体業界の成長周期に関する見解を見直した。同社は修正の理由として、原油価格の上昇により、消費者の家電製品購買能力が衰えていることを挙げている。
iSuppliは米国時間9月8日に発表したレポートの中で依然として、世界の半導体売上が2004年を上回るとしている。同社によると、2004年には2272億ドルだった世界の半導体売上が、2005年は2.4%増えて2327億ドルになるという。この予想は、同社の以前の発表より3%低い。同社は以前、2005年の世界半導体売上は前年比5.9%の成長率で推移すると予測していた。
「上期の結果が予想を下回ったことと、原油価格の高騰が下期に影響を及ぼす可能性があることの2点を考慮して、iSuppliは2005年の半導体売上予想を下方修正した」と同社アナリストのGary Grandboisは述べる。
米半導体工業界(SIA)も9月に入り、エネルギー価格の高騰による影響について懸念を表明している。
SIAのアナリストらが180万世帯を対象に調査したところ、原油価格の高騰により、米国では消費者の支出額が1世帯当たり年間1475ドルも増える見通しであることが分かった。SIAによると、この影響で米国における家電製品の売上は410億減少し、世界の半導体売上も234億ドル減少することになりそうだという。
「今後2カ月に注目したい。消費者が秋のセール期間にどういう反応を見せるかを確認できるからだ」とSIAのJohn Greenagelはいう。
Grandboisによると、半導体業界には心配の種がもう1つあるという。それは、Intel、Advanced Micro Devices、Texas Instruments、Philips Semiconductorといった半導体メーカーが、成長の鈍化や価格の低下にも関わらず生産量を増やし続けていることだ。半導体の在庫が過剰となれば、生産稼働率が低下しかねないと、アナリストたちはいう。
「(半導体業界では)相変わらずの生産量を維持している。そのため、ユーザーの需要が著しく伸びなければ、第4四半期には工場稼働率が低下するだろう」とiSuppliのディレクター兼主席アナリストの Len Jelinekは警告する。「景気後退の深刻さと、これが長引く期間は、第3四半期末時点の半導体の在庫量により決まるだろう」(Jelinek)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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