アイルランドのコークに拠点を置き、サードパーティのウェブサイトへのアクセス数を向上させるため広告を購入するInteractive ReportingのCEO、John Sullivanは、「これは(Googleにとって)非常に大きな変化だ」と話す。「この変更はつまるところ、従来のアクセス数を維持するのに支払わなければならない、1クリックごとの平均コストを押し上げるだけのものだ」(Sullivan)
WebMasterWorld.comの掲示板に集った広告スポンサーらは、さらに辛辣だ。
「Voxman」と名乗る人物は、「価格はすでに上昇しているように思う。先日までは、キーワードを利用するための最低落札価格は4セントだった。だが今では、キーワードを再利用するには40セントの支払いが必要になっている。わたしの会社では広告キャンペーンの最低必要経費を50%削減したが、現在は広告費の新たな使い道を模索している」という書き込みを行った。
Search Engine Watchの編集者Danny Sullivanは、今回噴出した広告スポンサーらの不満は、Yahooに買収される前の2001年、Overture Servicesが最低落札価格を1セントから5セントへ上げた際に高まった不満とよく似ていると話す。Yahooでは現在、最低落札価格を10セントに設定している。
Sullivanによれば、入札価格が上がったとしても、広告スポンサーは投資に見合う利益を得られるという。「今回の動きは、こうした広告システムの進化ととらえることができる。当初は低価格で始まったシステムが、自然の流れとして相場を上げていっただけのことだ」(Sullivan)
広告スポンサーが不平をもらす一方で、ウェブサイトの運営者からは、Yahooが競合する「Publisher Network」のベータプログラムを8月に入って立ち上げて以来、GoogleのAdSenseを通じて得られるウェブサイトの広告収益が増加した声が聞かれる。AAdSenseプログラムを利用するサイトには、dWordsの広告も表示される。
Jason Calacanisは先週、みずからのブログに、「Yahooが自社のプログラムを立ち上げてから、AdSenseにおける1クリック当たりの収益が増えたようだが、どうだろう」という匿名のメッセージを引用した。
これに対してCalacanisは、「科学的ではないが、クリック数の推移を見ると、10〜15%は増えているようだ」と答えている。その後もCalacanisのブログには、他のウェブサイト運営者が自分のサイトも同様の状況にあることを書き込んだ。
こうした傾向を助長したのが何であるか、はっきりとはわかっていない。
米国時間17日には、AdSenseに関するブログに「Fewer Ads, More Money(少ない広告で収益増加)?」と題する記事が掲載され、GoogleがAdSenseを更新して、既定の広告スペースに表示されるテキスト広告の数量を変えたことが話題となった。
同ブログには、「新機能を試用してみたところ、こうした関連広告にユーザーの関心がより多く集まり、クリック数が増えたことがわかった。つまり、ウェブサイト運営者が得られる収入が増えるということである」と記されている。
AdSenseに変更が加えられたのは、同分野におけるGoogleの最大の競合システムのベータ版を、Yahooが始動させた2週間後のことだった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
パナソニックのBioSHADOWが誘う
心地良い室内空間のつくりかた
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス