サンフランシスコ発--Intelは米国時間23日、当地で開催中の「Intel Developer Forum(IDF)」で、2006年および2007年に予定しているサーバ、ノートPC、デスクトップPC用チップのロードマップを発表した。これらの製品開発で同社が主要テーマに掲げているのは、同社が以前から取り組んでいる課題でもある、消費電力の低減だ。
IDFでは、今後発表される一部のチップで、「Pentium 4」に採用されてきたHyper-Threading Technologyが実装されないことも明らかになった。Hyper-Threading Technologyは、Pentium 4で普及が図られた機能の1つだが、2006年後半に出荷が開始される一連のチップには含まれないようだ。ただし、今後のチップにも、何らかのスレッディング技術は採用されるという。
「(Pentium 4を支えるアーキテクチャである)『NetBurst』は死んだ」とMicroprocessor Reportの編集長であるKevin Krewellは述べている。
2006年後半に登場予定のノートPC向けプロセッサ「Merom」は、最大消費電力が5Wだが、2006年末に出荷が開始される同チップの超低電圧版では最大消費電力が0.5Wになるという。なお、現行のノートPC用チップ「Pentium M」の最大消費電力は約22W、超低電圧版のPentium Mの最大消費電力は5.5Wである。
Meromのデスクトップ版「Conroe」も、2006年後半に登場する。同社によれば、Conroeの最大消費電力は65Wだという。なお、現行のPentium 4の消費電力は95ワット近くである。
サーバ向けプロセッサの「Woodcrest」は、最大消費電力が80ワットで、現行の「Xeon」プロセッサが最大で消費する110ワットに比べ、大幅に低減されている。
また、Intelは2010年までに、Meromのようなチップと比べて10分の1しか電力を消費しない超低消費電力チップを、家電向けに投入するとIntelのCEO(最高経営責任者)Paul Otelliniは、IDFの基調講演で述べた。
PCやハンドヘルド端末メーカーにとって、プロセッサが強力になるに従って増大する消費電力量が重要な問題となっている。チップの低消費電力化が進むことで、PCやハンドヘルド端末メーカーは、既存の設計に比べ性能が大幅に向上したシステムや、消費電力量が低減されたシステムを柔軟に構築することが可能になる。消費電力量をいかに小さくするかという問題は、次世代の携帯電話や携帯端末を開発するうえで、最も重視されるようになっている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス