世界各地の辺境に住む人々のDNAサンプルを収集している科学者たちが、現場にいながら、サンプルを送信したり、体験をブログにつづったりすることが間もなくできるようになるだろう。
「THE GENOGRAPHIC PROJECT」では現在、約10名の科学者が中心となり、オーストラリアや中国、ロシアなどの辺境で、これまでにない数の人間のDNAを採取している。同プロジェクトでは、人類がどのように移動して地球上に広がったかを調査し、体系化することを目的としている。
IBMは先ごろ、データ収集やコミュニケーションを支援するため、同プロジェクトに新しいコンピュータやカスタムソフトウェアを寄贈した。
「フィールドに出ている研究者にとって、これは大きな前進だ」とTHE GENOGRAPHIC PROJECTのディレクターを務め、National Geographic協会の協会付き研究者でもあるSpencer Wellsは述べる。National Geographic協会は、IBMとともに、同プロジェクトを支援している。
「IBMの支援により、高品質なサンプルの採取が促進される。プロジェクトに参加する調査メンバーにとって、収集した情報が安全に保管および保護されることは、安心感につながる」(Wells)
寄贈されたソフトウェアや、指紋認証技術を搭載した「T42 IBM Thinkpad」により、現場にいる科学者たちは、中央のオフィスに戻ることなく、DNAサンプルを入力することが可能になる。寄贈されたソフトウェアは、複数の言語をサポートし、収集したDNAサンプルの「コンテキスト」データを抽出する機能をもつ。
また、同ソフトウェアにより、研究者同士でチャットしたり、科学データベースからリアルタイムに情報を引き出したりすることが可能になる。科学者らは秋には、自分の作業に関するブログをTHE GENOGRAPHIC PROJECTのウェブサイト上で公開することが可能になる。
THE GENOGRAPHIC PROJECTでは、4月の開始以来、DNAサンプルキットを購入した6万2000人から100万ドル以上の寄付を集めている。同プロジェクトは5年間にわたって実施される計画。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果