Gatewayは現在、2種類のセキュリティ装置を同社製PCに組み込んでいる。これには、ユーザーが紛失または盗難にあったノートPCを探し出すことを可能にする技術が含まれている。
同社は米国時間9日、Mobile Theft Protectionソリューションが、GatewayのノートPC「M250」「M480」「M680」で利用可能になったと発表した。Absolute SoftwareのComputrace技術を用いて実現されたこの装置は、紛失したPCの居場所を特定することを可能にする。また同製品には、Data Deleteと 呼ばれる機能も含まれており、個人や企業の重要なデータをリモートから削除することができる。
いったん装置が有効になれば、AbsoluteからPCの回収が完全に保証される。もしノートPCが60日以内に回収されなかった場合、ユーザーは最大で1000ドルの払い戻しを受けられる。
この装置はノートPC内にプレインストールされているが、3年保証を有効にするためにはPC本体の価格に99ドルを上乗せして支払う必要がある。
現在、GatewayからノートPC向けに提供されている他の組み込みセキュリティ機能としては、業界最新(かつ議論の的となっている)ハードウェアセキュリティ標準のTrusted Platform Module(TPM) version 1.2が挙げられる。この技術はすでに、GatewayのデスクトップPCであるE-seriesに組み込まれている。
Gatewayによれば、TPMチップはデータの暗号化とパスワード管理に使われるという。チップ内には秘密鍵やパスワード、電子証明書の情報がセキュリティ認証ソフトを使って記録されると、同社では説明する。
だが専門家によれば、TPMチップには識別番号が組み込まれているため、PCユーザーのプライバシーが侵害される可能性があるという。
また、このチップによってデジタル著作権管理(DRM)技術の利用が強制されることになれば、一部のデジタルメディアの使用が制限される可能性もある。Apple ComputerのMacファンの間では、このチップに関する波紋が広がっている(関連記事)。
確かにノートPCの盗難は増えている。CSI/FBI Computer Crime and Security Surveyによると、紛失または盗難にあったノートPCの被害総額が、2004年には670万ドル以上に達したという。
他のPCメーカーはデスクトップPCとノートPCの安全を守るため、各種のハードウェアやソフトウェアを組み合わせて用いている。例えばLenovoでは、ThinkPad T42にバイオメトリクス認証装置を組み込んでいる。Microsoftでは、Windows XP向けのセキュリティアップデートであるService Pack 2とプロセッサを組み合わせてウイルスやワームによる攻撃を防ぐ技術で、IntelやAMDと協力している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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