開発責任者が語る「Windows Vista」の現状と今後 - (page 2)

Ina Fried (CNET News.com)2005年08月02日 16時32分

--Microsoftの幹部らは以前、Windows VistaをノートPCに搭載する可能性を示唆したことがあります。VistaのMedia Center版、Tablet PC版です。この他には、どのようなバージョンが考えられると思いますか。

 気が早いですね。そういう話をするのは、まだ時期尚早です。

--ユーザーのID情報を保管するInfoCardをめぐっては、さまざまな議論が提出されています。 InfoCardはVistaに搭載される予定ですか。だとすれば、どのような形で実装されるのでしょうか。

 この件については、正式な発表が行われていないので、コメントできません。

--過去のWindowsと比べると、今回は比較的早い段階で正式名称(Vista)が発表されました。この背景には、Longhornのイメージを払拭したいというMicrosoftの思惑があるのでしょうか。Longhornのコンセプトは、発表からこれまでの間に大きく変化しました。

 そのようなことは企んでいません。製品名に関する話し合いが行われたのは6カ月、いや9カ月ほど前のことです。今回は無事、秘密を守り通すことができました。早めに製品名を決めるのは、マーケティングの点からも効果的だと思います。これまでは製品名を決めるのが遅すぎたのです。

--ネーミングの観点からすると、TigerやPantherといった製品名は、聞く者に精力的なイメージを与えます。MicrosoftはVistaという製品名を通して、どのようなイメージを顧客に伝えたいと思っているのですか。

 明瞭さや、物事をクリアにするというイメージです。響きもとてもシンプルです。混乱を解消し、あふれる情報を整理し、未来を垣間見せる--そういったイメージを伝えたいと思っています。

--まもなく、Vistaのサーバ版のテストバージョンもリリースされる予定です。サーバ版の開発はどこまで進んでいるのですか。デスクトップ版の開発に後れを取っているのでしょうか。

 サーバ版のテストバージョンもまもなく公開になる予定ですが、これもやはり、デスクトップ版と同じような基礎的なものになる予定です。システムをコンポーネント化する技術を開発したことで、ユーザーの役割に合わせて、実行可能なソフトウェアの数を制限できるようになりました。しかし、新しい役割管理ツールはまだ開発中であり、Beta 1には搭載されていません。

 導入に関心のあるIT担当者なら、デスクトップ版にもサーバ版にも関心を持つかもしれません。これらの製品には同じ基礎技術が用いられているからです。ですので、今回のテストバージョンに最も関心を持つのは、このグループの人々ではないでしょうか。サーバ版の開発がデスクトップ版に遅れを取っているかどうかについては、何ともいえません。どちらもこれから、多数の機能が追加される予定ですので、現時点では判断できません。

--Microsoftは、OneCareと呼ばれるウィルス対策パッケージの開発を進めています。パッケージの一部であるスパイウェア対策プログラムは、現在はベータ版の段階にあります。OneCareのセキュリティ技術をVistaに組み込む予定はありますか。

 OneCareは別の製品です。しかし、Vistaでもセキュリティと安全性は飛躍的に向上します。このことは、これまでにもはっきりと申し上げてきた通りです。

--スパム対策に関しては何か新機能はありますか。

 OSレベルの変更があるかどうかは分かりませんが、Beta 1ではOE(Outlook Express)にスパフィルタが組み込まれています。このフィルタは自動的にスパムメールを排除します。Beta 1ではこの機能の一端を見ていただくことができると思います。

--Vistaの新機能を活かしたアプリケーションの開発を促進するために、どのような取り組みを行っていますか。現在の状況と今後の予定を教えてください。

 次の大きなステップとなるのは、(9月に開催される)Professional Developers Conferenceです。この会議ではVista用アプリケーションの開発を促すような、魅力的な機能を披露する予定です。

--WinFS(Longhornへの搭載が見送られたWindows File Storageアップデート)のベータ版は、これまで通り、Windows Vistaの発売と同時期にリリースされるのでしょうか。

 現在のところは、その予定です。

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