Flash 8、来月初めに登場--新しいビデオ関連機能に注目

Paul Festa(CNET News.com)2005年07月29日 10時27分
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 Macromediaは、ビデオ関連機能に重点を置く「Flash 8」を来月はじめに公開する予定だが、一部ではこれがウェブビデオの市場に衝撃を与える可能性があるとの声も上がっている。

 同社の計画に詳しい情報筋によると、Flashの最新版は8月8日に発表され、その数週間後にリリースされる見通しだという。Macromediaは、Flash 8のパブリックベータ(テスト版)を今月はじめにリリースしていた。また8月24日には、Adobe Systemsによる同社の買収について株主が議決を行うことになっている。

 もともとウェブ用のアニメーション作成ツールとして登場したFlashだが、最近ではウェブベースアプリケーション開発ツールの分野で、強力な潜在力を持つ選択肢として頭角を現している。Macromediaは、Flashの位置づけをすでに見直しており、アプリケーション開発用のプラットフォームに改めている。

 しかし、現在最も高い関心を集めているのは、Flashに搭載されるビデオ関連の機能だ。新バージョンではコーデックが改良され、独自のビデオ圧縮フォーマットを採用するが、このコーデックや他のさまざまな長所によって、FlashはMicrosoftのWindows MediaやRealNetworksのReal、Apple ComputerのQuickTimeに大きな脅威を与える存在になり得ると考える人々もいる。

 CreativeStrategies(本社:カリフォルニア州キャンベル)アナリストのTim Bajarinは、「Flashの新バージョンには大幅な改良が施されている。もしこれがメディアエンジンとして位置づけられたら、競争力の高いストリーミングビデオ用プラットフォームへと進化する可能性がある。Real、Apple、Microsoftにとっては今後の不安材料になるだろう」と述べている。

 Macromediaは、Flash 8を今年夏にリリースすることをすでに決めているが、それ以上の詳細に関するコメントは控えている。

 同社は、Flash 8で大幅な機能の変更を行うと約束しているが、その多くはビデオ関連の機能を中心としたものになる。Flash 8には、On2 Technologiesの「VP6」という新しいコーデックが採用されるが、両社はこのコーデックについて、Flash 7のビデオコーデックに比べて品質が劇的に改善されると主張する。また、Flash 8ではアルファチャンネルもサポートされ、ビデオにテキストやベクター画像などの要素を合成することも可能になる。

 しかし、MacromediaがFlash 8で新たに追加されるビデオ関連機能を売り込む一方で、Flashビデオの普及に期待する人々は、同ソフトウェアが以前から実現しているメリット−−なかでもプラットフォームを選ばない点を強みとして挙げている。

 データサイズが小さく、またMicrosoft Windowsなど各種のOSにバンドルされていることから、Flashはほぼすべてのコンピュータに行き渡っている。Macromediaによると、ウェブに接続できるパーソナルコンピュータの98%以上にはFlashプレイヤーのいずれかのバージョンがインストールされており、100社以上のデバイスメーカーが自社製品にFlashを組み込んでいるという。

 Macromediaはここ数カ月の間に何度かFlashビデオのデモを行っているが、同社はそのなかで、RealNetworksやWindows Mediaのビデオクリップにアクセスしようとしたユーザーが味わうお粗末な経験を嘲笑していた。このデモのなかでは、ユーザーがビデオクリップを観ようとすると、巨大なファイルサイズのプレイヤーをダウンロードするよう求めるダイアログボックスが表示されたり、帯域幅などの各種オプション設定の入力を促される様子が示されている。

 対照的に、Flashビデオは「プレイヤー不要」だ。つまり、ビデオクリップがウェブページのなかに埋め込まれた形で再生される。そして、Flashの開発者が独自のインタフェースをデザインし、独自にバッファなどの各種設定を決めることができる。

 Macromediaと競合関係にある各社は、同ソフトウェアは内容的に不十分で、メディアの送り手と受け手の両方に対して重要な機能が十分に提供されていないと話す。

 RealNetworksのMichael Schutzler(メディア担当シニアバイスプレジデント)は、「映画会社はDRMを重視しているが、Flashにはデジタル著作権管理機能がない。われわれは価値のある知的財産を重視しており、そこではDRMが重要になってくる。Flashは広告などの用途には良いが、映画会社はどこも採用しないだろう」と語っている。

 MicrosoftもWindows Media Playerを擁護し、同ソフトウェアにはFlashでは不可能な機能が多数盛り込まれているとし、具体的には15種類のコンテンツサービス、コンテンツ管理用のメディアライブラリ、デバイスの同期機能、そしてCD作成機能がある点を強調した。

 MicrosoftのKevin Unangst(Windows Digital Media担当ディレクター)は電子メールでのインタビューに答え、「現在、Flashはインターネットでかなり評判が良いが、短いストリームコンテンツ以外への応用では制限がある。これに対し、Windows Media Video 9(WMV9)は、そのスケーラビリティのおかげで、携帯電話機でのSDビデオから次世代DVDのHDビデオまで、極めて幅広い目的に応用できる」と述べた。

 Macromediaは、Microsoftと競合関係にあることをなかなか認めたがらず、FlashとWindows Mediaはターゲットとする市場が異なるとのMicrosoftの主張にもあまり反論していない。

 「FlashビデオとWindows Mediaが直接競合することはあまりないと思う」と同社のチーフ・ソフトウェア・アーキテクトのKevin Lynchは言う。「われわれがFlashビデオで進もうとしている方向はウェブビデオ--ウェブページに埋め込まれたビデオだ。これは、ダウンロードして観る長編映画とはまったく異なるセグメントだが、Windows Mediaの機能はそうした(ダウンロード)モデルに向けられている」(Lynch)

 しかし、たとえMacromediaがダウンロード可能な長編映画の分野に踏み込まないとしても、Flashビデオが技術面および人気の面で進歩を遂げることをMicrosoftやRealNetworksがおもしろく思うはずがないと、アナリストらは指摘している。

 「MacromediaはFlashの機能性をさらに高めていくつもりで、いずれ手強い競争相手になるだろう」とNPD GroupアナリストのChris Swensenは言う。「やがてFlashがビデオ市場に食い込むこともあり得ると思う」(Swensen)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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