IBMと距離を置く
Forrester ResearchのアナリストJulie Gieraによれば、Microsoftのマネージドサービスに対する試験的な取り組みは、顧客満足度を改善し、サポートコストを抑えることを目的としたものであって、IBMのGlobal Services部門の顧客を奪うためのものではないという。
「Microsoftには、次のIBM Global Servicesになろうという野望はない。どのようにすれば、Microsoftの顧客が同社のソフトウェアを利用する際に発生する問題を回避でき、より効果的かつ効率的なソフトウェアの稼働を実現できるか、さらにそうした場合におけるMicrosoftの役割とは何であるかを模索しようとしているだけだ」(Giera)
Microsoftの顧客が同社のソフトウェアを利用中に不具合などを経験した場合、その原因が他の供給企業にあるとしても、Microsoftの評判は傷つくことになると、Gieraは指摘している。
Gieraはまた、特に中小企業の間には、標準化された安価なマネージドサービスを求める市場が存在するとも述べている。
一方IBMのGlobal Servicesも、中規模企業ユーザーをこれまで以上に獲得しようと考えている。2005年初頭には、IBMは中間市場を得意とする小規模かつ地域的なコンサルティング企業と提携していくプログラムを立ち上げた。
IBMはこれと同時に、ハイエンドなサービスの提供を、同社のビジネスマネジメントコンサルティング部門の中心業務として位置付けようとしている。
こうしたビジネスコンサルティングを核とする取り組みに力を入れることで、IBMは競合他社との差別化を図り、一般的なアウトソーシングサービスで求められている低価格化というプレッシャーをかわそうとしていると、アナリストらは分析する。
Gieraは、Dellが約4年前に同社のハードウェアに関する「PC配備」サービス市場に参入したことで、そうしたサービスの価格は確実に下落したと指摘している。
「ソフトウェアやサービスは、しだいに日用品化されつつある。Dellがサービスの日用品化を強く押し進め、低価格化を促したのだ」(Giera)
Ballmerは、「Microsoft Consulting Services(MCS)」には、パートナー企業のビジネスと競合し、その利益に反する側面があることを認めている。それでもBallmerは、IBM Global Servicesと提携するよりも、標準化されたマネージドサービスアプローチを採用したほうがビジネスチャンスは拡大すると主張する。
「古き良きMCSについては、常に多くの問題が提起されていることはわかっている。われわれが同じ話をして、同じ質問を受ける、そうしたことが毎年繰り返されてきた。だが、わずか4000名規模のMCS部隊は、IBMと競合していこうとしているわけではない」(Ballmer)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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