レノボ、米のブレードデスクトップメーカーと提携

Michael Kanellos (CNET News.com)2005年07月11日 20時18分

 中国の大手PCメーカーLenovoが、ClearCube Technologies製のブレードデスクトップシステムを再販することになった。

 LenovoとClearCubeは、この提携に基づき、ClearCube製ブレードシステムを共同で販売していく。両社は当初、LenovoがIBMのPC部門を買収した際に獲得した顧客に販売する予定で、LenovoもClearCubeのブランド名を使用する。なお、IBM Global ServicesはすでにClearCubeのデスクトップシステムを再販している。

 ブレードデスクトップは完全なデスクトップPCだが、ただしプラスチック製の筐体ではなく、コンピュータルームのラックの中に主要コンポーネントが格納されている。したがって、各ユーザーのデスク上にあるのは、キーボード、マウス、モニターと、それらをコンピュータに接続するためのネットワーキングユニットだけだ。

 ClearCubeの最高マーケティング責任者(CMO)、Raj Shahによると、複数のPCをラック内に収納することにより、サポートや賃料にかかるコストを削減できるという。すでに数社の金融系企業や複数の軍の部門が同社のコンピュータを導入している(北米航空宇宙防衛指令部(NORAD)は侵入してくるミサイルの探知にClearCube製コンピュータを使用している)

 また現在ClearCubeは、ヘルスケア専門企業のMcKessonと共同で、ある試験的取り組みを行っている。両社はいくつかの病院で各病室に回転するスクリーンを設置し、患者が映画の視聴や自分が抱える様々な問題に関する情報を入手できるようにした。また医師も磁気カードを使ってこのシステムにログインし、患者の記録を検索できる。

 ClearCubeによると、ブレードデスクトップシステム市場の規模はまだ小さいが、現在急成長を続けているという。Shah によると、同社の2004年の小規模企業からの売上は、基本となる数字は小さいものの、前年の3倍増を記録し、今年も3桁の伸びを記録しているという。日立のサービス部門およびSAICも同社のコンピュータを再販している。

 今のところ、独自のブレードPCシステムを製造している大手コンピュータメーカーはHewlett-Packardだけだが、アナリストらによると、同社のブレードPCシステムのコンセプトは市場であまり受け入れられていないという。同社がブレードPCシステムの最初のバージョンに、経営不振の半導体メーカーTransmetaのチップを採用したことも、その理由の1つになっている。

 ブレードが将来有望な商品であるなら、なぜ他のメーカーは参入しないのか。それには理由がある。ブレードシステムを配備するには、管理/セキュリティソフトウェア層が必要だが、その導入には多大な時間、エネルギー、資金を要する。これらを浪費するリスクを負ってまで参入しようと考えるメーカーはほとんど存在しない。

 Shahは、「ここ2、3年、多くのPCメーカーは居眠り運転を続けてきた。新技術の開発に取り組んでいる企業は1社も存在しない」と述べ、さらに「過去20年間に、企業向けデスクトップPCが一体どれだけの変化を遂げたというのか」と語った。

 また同氏は、ClearCubeが約80件の特許を取得している点を挙げ、このために競合他社は同社の知的財産に抵触しないやり方を見つけ出さなくてはならないと指摘した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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