Oracleは米国時間7月1日、PeopleSoft買収に伴う構造改革費用の試算額を下方修正した。
同社は米証券取引委員会(SEC)に提出した文書のなかで、PeopleSoft買収に伴う事業の再編成に約5億4600万ドル支出する見通しであることを明らかにした。Oracleが以前見積もっていた6億1100万ドルの費用と比べると、見積額は大幅に減少している。また、同社は、小売向けソフトウエアメーカーRetekなど、先頃行ったPeopleSoft以外の企業買収に関わる構造改革費用として、さらに3200万ドルを支出する予定であることも明らかにした。
Oracleによると、情報システムや事業の統合など、PeopleSoft買収に伴う作業を「実質的に大部分」完了させたという。同社は、買収により発生した残りの業務も半年以内に終了する予定だと発表している。
また同文書のなかでOracleは、今後も市場機会を拡大する目的で戦略的買収を継続していく方針であるとも述べている。CEOのLarry Ellisonは、6月29日に行われた第4四半期決算発表の席上で、今後は、同社の長期戦略や5年間で利益成長率20%という目標を達成するうえで、貢献の期待できる企業のみを買収すると述べた。
このほかにもOracleは、PeopleSoft買収によって発生した財政面のリスクについても文書の中で列挙している。同社は現在も残存するリスクとして、PeopleSoftの製品サポートに予想以上の費用がかかっていることや、PeopleSoftから移籍した社員が今後も大量流出する可能性があることなどを挙げている。
PeopleSoftは買収が決定する前、Oracleの敵対的買収に対抗する目的で返金保証プログラム「Customer Assurance Program」を開始した。Oracleは同文書のなかで、同プログラムを拠り所としてPeopleSoftの顧客から提訴される恐れがあることに触れている。同プログラムは、もしOracleがPeopleSoftの買収に成功し、PeopleSoft製品のサポートを打ち切った場合、顧客に料金の払い戻しを行うというもの。この件について、Oracleは、そのような訴訟を起こされることはないと確信していると、述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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