アダルト雑誌の出版とウェブサイトの運営を行うPerfect 10が、Amazon.comを訴えた。同社の主張によると、Amazon.comの検索エンジンが、Perfect 10のウェブサイトにある数千枚の画像を勝手に表示して、同社の著作権を侵害しているという。
「A9.comやGoogleなどの『検索エンジン』は、たわいもないものから過激なものまで、膨大な数のアダルト画像を表示して、大量のトラフィックを自社サイトに集め、そこから広告収入や売上を得ている」と、同社は声明のなかで述べている。
Perfect 10は11月に、Googleを相手取って同様の訴訟を起している。同社はGoogleとAmazonに対して侵害行為を通知する書類を多数送付したが、これらの通知は無視されてきたという。
GoogleとAmazonの関係者にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
Amazonに対する訴訟は、米国時間6月29日にロサンゼルスの米連邦地裁で起こされた。Perfect 10の代理人を務める弁護士のRussell Frackmanによると、同社は7月1日に同裁判所に仮差し止めを申請し、Amazonの検索部門であるA9に対してこれらの画像の表示や配信を行わないよう命じることを求めたという。
Perfect 10は1000枚を超える画像の著作権が侵害された疑いがあると主張している。Frackmanによると、米国著作権法では、被告に対して1件につき最大15万ドルの罰金が科される可能性があるという。
なお、Googleに対する訴訟は証拠開示手続きに時間がかかっている、と同氏は付け加えた。
GoogleサイトはPerfect 10の持つ画像の縮小イメージを表示しているが、しかし同サイトにはサイズの大きい画像や、著作権のある画像をフルサイズ表示する多くのウェブサイトへのリンクも、Frackmanは述べている。
1997年にPerfect 10誌を創刊したNorm Zadaは、アダルト関連情報は検索サイトの牽引役で、それがウェブ広告の売上につながると述べたことがある。同氏は、大学教授やIBMでコンピュータ科学関連の研究スタッフとして働いた経歴の持ち主だ。Zadaは声明のなかで、「OvertureのKey Selector Toolによると、インターネット検索の大半はアダルト関連のものだという」と述べている。
画像やビデオへの対応が進むなか、検索エンジンが著作権訴訟に巻き込まれるリスクも高まっている。Googleは6月30日、同社の新しいビデオ検索サイトに著作権を侵害する映画やテレビ番組がアップロードされ、これらを慌てて削除している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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