Advanced Micro Devices(AMD)が発表した最新のプロセッサは、スピードを必要とし、資金的に余裕があるPCゲーム愛好家向けの設計となっている。
AMDは米国時間27日、「Athlon 64 FX-57」を新たに発表した。1031ドルのこのチップは、動作速度が2.8GHzで、1MバイトのL2キャッシュを搭載し、「Half-Life 2」のようなグラフィックスを多用したゲームのレンダリングや、CADのような負荷の高いアプリケーションを動かすのに向いている。
FX-57は、AMDの「Athlon 64 FX-55」の後継モデルにあたる。FX-55は、動作速度が2.6GHzで、価格は827ドルとなっている。
AMDによると、現時点で合わせて40社近い2流PCメーカーが北米でFX-57搭載システムを発売する計画だという。これらのメーカーのなかには、Alienware、VoodooPC、Boxxなどの名前が並んでいる。
FX-55からさらに性能が向上したFX-57だが、実はこれがFXシリーズ最後のシングルコア製品となる可能性がある。AMDやライバルのIntelは、それぞれシングルコアからデュアルコアへの移行を開始しているからだ。
AMDのJonathan Seckler(Athlon 64担当プロダクトマーケティングマネージャ)は、 CNET News.comに対し、同社ではAthlon FXシリーズのシングルコアプロセッサの供給を、少なくとも今後12〜18カ月間は継続すると述べた。同社はこの次のシングルコア・プロセッサとして、「Athlon 64 FX-59」の投入を予定しているという。
「ニーズがある限り、今後もシングルコアプロセッサの供給を続けていくというのが、われわれの戦略だ」とSecklerは述べ、PCゲームの多くが、シングルコア技術を利用するように書かれている点を強調した。
Secklerによると、PC用ゲームの愛好家のために、AMDではAthlon FX-57のクロックスピードを変更可能にするとともに、特定のサードパーティ製ファンや水冷システムを認定することで、同チップの性能を向上させ、定格速度より速く動作させるようにしているという。
では、実際にどれほど速いのか。先ごろ開かれたあるゲーム愛好家の集まりでは、多くのユーザーが水冷システム搭載マシンで、2.6GHzの Athlon FX-55 を5GHz近くまでオーバークロックしていた。
チップメーカーは一般にオーバークロックを認めておらず、AMDも例外ではない。だが、それにもかかわらずオーバークロックするユーザーが一部にいることから、同社はこの点を認め、特定のサードパーティ製品を認定することで、チップへのダメージを最小限に食い止めようとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」