Ciscoの大きな存在感
CiscoがAON部門を立ち上げたことで、比較的新しいネットワーキングデバイスの信頼性は高まりつつある。
従来のルータやスイッチは、送信されてくるトラフィックのインターネットアドレスを参照し、データパケットをネットワーク上で転送する。一方AON製品は、特にアプリケーション間でやり取りされるメッセージを処理するものだと、AONビジネス部門ゼネラルマネージャTaf Anthiasは説明している。AnthiasはIBMの「MQSeries」ミドルウェア開発の指揮をとったあと、約2年半前にCiscoに入社し、AON戦略の展開に力を注ぐようになった。
「マルチプロトコルルータのように、ネットワークがさまざまなアプリケーションの言語を操り、異なるアプリケーション間で言語を翻訳きるようになれば、アプリケーション間のコラボレーションは飛躍的に向上する」と、CiscoのCTOであるCharles Giancarloは述べている。
Giancarloはまた、Ciscoのアプローチを採用することで、これまでのように多くのアプリケーションを開発する必要はなくなり、ビジネスアプリケーションを変更するための集約的なシステムを構築できるようになるとした。
例えば、小売店舗や倉庫でAON製品を利用し、RFIDリーダーで収集したデータを処理することなどが可能になる。AONのブランチオフィスルータでは、大量のデータをネットワーク越しにバックオフィスシステムへ送信するのでなく、在庫が一定数に達した際にアラートを発するなどのタスクを自動化することができる。
Anthiasによれば、Ciscoは特に、セキュリティの向上/XML処理時間の短縮/パフォーマンスの監視もしくは着信メッセージに対する応答/ネットワーク越しのメッセージ転送などを視野に入れて、AON製品の開発に当たったと話している。
CiscoはIBMの「WebSphereMQ Client」ソフトウェアライセンスを取得し、同社のAONデバイスにおけるメッセージの転送を実現している。これまで通常のミドルウェアシステムはデータセンター内で稼働していたが、AONテクノロジーは、データセンターのみならず、小規模オフィスやあるいはホームコンピューティングにおいても利用できる可能性があると、Anthiasは述べている。
Ciscoは、同ハードウェアとともに、複数のコンフィギュレーションツールもリリースする予定だ。そのうちの1つは、インフラストラクチャの専門家らが、1000ドルを超える注文にどのように対処するかなどのポリシーを設定する際に利用するものだという。
またほかのツールでは、Ciscoの本来的なユーザーであるネットワーク管理者が、企業データセンターや遠隔地のオフィスにあるマシンにソフトウェアをインストールすることができるようになると、Anthiasは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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