OpteronおよびAthlonマイクロプロセッサの人気で追い風に乗るAdvanced Micro Devices(AMD)。同社最高経営責任者(CEO)のHector Ruizは、x86コンピュータチッププラットホームへの取り組みを今後より一層強化することを明らかにした。
AMDでは、x86アーキテクチャの大幅な変更は行わず「追加を予定している」とRuizは米国時間10日、証券アナリスト向けの説明会で述べた。「AMDでは、x86アーキテクチャに対する取り組みを続けてきた。そのため、同アーキテクチャを簡素化したり改良したりすることが可能だ」(Ruiz)
AMD幹部らと共にRuizは、高性能な4ウェイサーバ用チップを普及させることや、PC以外の市場を開拓することに力を入れていると、AMDの方針を説明した。
また、AMDでは、ワークステーションおよびデスクトップ向けの新しいマイクロプロセッサコアを2007年にリリースする予定だ。また、次世代コンピュータメモリ技術であるDDR3をサポートすることや、PCのリモート管理を可能にするセキュリティ/仮想化ソフトウェアを改良することも同社では計画している。
IntelがPC業界での影響力を強めるなか、AMDは、顧客と投資家の注意を引きつけようと努力をしている。Apple ComputerがMacのプロセッサをIntel製のものに今後2年間をかけて切り替えていくと発表して以来、Intelは大きな注目を浴びている。
Intelが市場を支配する状況は依然として続いている。だが、AMDもここ数年間で、市場シェアを少しずつ拡大させている。AMDによると、Opteronプロセッサを出荷開始した2年前以来、同プロセッサ搭載サーバの販売台数は、300%増加しているという。また、全世界で最大規模を誇る企業500社のうち55%が現在、同社の技術を採用した製品を使用しているとAMD幹部は強調する。事実、市場調査会社IDCによると、AMDが提供するx86プロセッサを4個使用する4ウェイサーバのシェアは現在27%になり、前年に比べ15%増加しているという。
AMDは、1つのシリコンチップ上に2個のコンピュータプロセッサを持つデュアルコア技術と、ドイツのドレスデンに建設中の新工場に期待を寄せている。この新工場では、65ナノメートルプロセスによるチップ生産が可能だ。65ナノメートルとは、人間の髪の毛の幅の約1500分の1に相当するサイズだ。IntelとAMDは共に、全製品のデュアルコアアーキテクチャ化を2007年頃に完了させる予定だ。
この工場の開設当初に与えられる役割の1つとして、液浸リソグラフィ技術を使用した65ナノメートルチップの製造が挙げられる。この技術では、純水に浸したウエハのチップ上にレーザーで回路を書き込む。水による光の屈折を利用して、より正確な回路がレーザーで描かれるようになる。
AMDは、シンガポールの半導体受託メーカーChartered Semiconductorとの間で、製造および技術共有に関する提携を結んでいる。Charteredは2006年より、AMDの需要予測に基づき、Athlon 64やOpteronの製造を請け負う予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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