攻撃者らがMicrosoftの韓国版MSNウェブサイトのユーザーから情報を盗み出そうとした事件について、その詳細が3日、明らかになった。
セキュリティ専門家らによると、韓国版MSNサイトに悪質なコードが埋め込まれているのが5月29日に発覚したという。このコードは、アジアで人気のオンラインゲーム「Lineage」のユーザーログインデータを盗む目的で作成されたものの模様だ。
攻撃者らは韓国版MSNサイトのニュースセクションのトップページに、いわゆるiframeという見えないフレームを追加して機密データを盗み出そうとした、とセキュリティ会社Websenseは説明している。Websenseによると、ユーザーが脆弱なウェブブラウザでこのサイトを開くと、何の通知もなくコードに感染してしまうという。
Websenseは29日に韓国版MSNサイトが攻撃されていることを発見し、Microsoftに連絡を取ったと、同社のシニアディレクター、Dan Hubbardは述べている。Microsoftは、5月31日に韓国版MSNサイトを修復し、警察に通報して攻撃の捜査を求めたことを明らかにした。
サイトは少なくとも数日間に渡り攻撃されたが、Microsoftは6月2日、この攻撃で実際にユーザーが被害を受けた証拠はないと述べた。Websenseでは最近韓国版MSNのニュースサイトにアクセスした人々に、感染の有無をチェックするためコンピュータをスキャンするようアドバイスしている。
Websenseによると、MSNサイトにインストールされたコードは、複数のソフトウェア脆弱性を悪用してトロイの木馬をインストールしようとするという。このトロイの木馬は、一部のウイルス対策製品では「Trojan-PSW.Win32.Lineage.ez」や「PWS-Lineage.dll」として検出される、とWebsenseは勧告に記している。
このトロイの木馬は、Lineageのユーザーからキーストロークを盗むよう設計されている、とWebsenseは説明している。Lineageは韓国で大人気のオンラインロールプレイングゲームで、400万人以上のユーザーがこれを利用している。
韓国ではブロードバンドやモバイルインターネットの利用が盛んだ。MicrosoftのMSN部門にとって韓国は重要な市場で、これまでも同国で様々な新サービスを試行してきた。
Microsoftでは、他のMSNサイトに関しては同種の攻撃に対する脆弱性はないと確信している。韓国版サイトは米国やその他の国のものとは異なり、Microsoftではなく別の提携企業が管理していた。この提携企業がサーバのセキュリティ管理を完全に行っていなかった可能性が高い、とMicrosoftは述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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