分岐点を迎えた検索連動広告の未来--オーバーチュアのキーマンらが語る - (page 2)

インタビュー:西田隆一(編集部)
文:藤本京子(編集部)
2005年06月08日 10時00分

--ところでOvertureは、2003年10月にYahoo!に買収され、2005年3月には今後社名をYahoo! Search Marketing Solution(YSMS)に変更すると発表しています。社名変更の理由は何なのですか。また、社名やブランドが変わることで何か影響はあるのでしょうか。

Meisel: ブランドの変更は、長期的な観点から判断したものです。Yahoo!は世界的なブランドですから、多くのユーザーを呼び込むためにこのブランド名は非常に効果があります。一方、日本ではオーバーチュアという社名そのものがブランド力を持つようになってきました。日本のヤフーと協調しつつ、オーバーチュアブランドを押し出すことで、うまく機能するでしょう。

--名称変更と同時に、取り扱うサービスがスポンサードサーチのみならず、これまでYahoo!が提供していた検索の有料登録表示サービスも手がけるなど、サービス範囲が拡大しましたね。

Meisel: 広告主に対して、すべての広告サービスをワンストップで利用してもらうためです。Yahoo!の広告関連サービスを1つのインターフェース上で提供できるので、広告主も広告を扱いやすくなります。インターフェースというのは、ウェブ上の画面の場合もあれば、営業担当者の場合もあります。どちらの場合でも、広告主が簡単にサービスを利用できる環境を整えたいと思っています。

--日本では、ヤフーの筆頭株主がソフトバンクということもあり、オーバーチュアとヤフーのビジネスを統合することも難しいですね。

Meisel: 確かにそうです。日本ではヤフーとオーバーチュアは別会社ですからね。ただ、日本では検索連動型の広告自体が初期段階にありますし、まずはスポンサードサーチに注力することが大切だと思っています。このサービスで地盤を固め、次にコンテンツマッチ広告を拡大するというミッションがあります。この2つの事業だけでも大きなことなので、次に進む前に、まずはこれらに注力しなくてはなりません。

--ということは、日本のオーバーチュアが米国と同じようなサービスを提供するようになるのは、かなり先になるということでしょうか。

Meisel: まだ具体的な計画はありません。

Overture Services, Overture International プレジデント Brian Steel氏

Steel: Yahoo!グループのいいところは、インターネットユーザーのことをよく理解している企業だということです。日本でもこのことは同じで、こうした知識をオーバーチュアのサービスにも最大限に活用したいと考えています。そうすることで、広告主と密接な関係を結ぶことができ、オンラインマーケティングの市場規模拡大にも貢献できるでしょう。

--OvertureがFeedburnerと共同で、RSS広告に関する取り組みをはじめたと米国で報道されています。どのような取り組みなのでしょうか。

Meisel: Yahoo!の提供するMy Yahoo!などは、簡単にRSSフィードと統合できるため、われわれはこのようなコンテンツに対し、適切な広告を提供したいと考えています。ただ、フィードのフォーマットは多岐にわたっているので、最終的にRSS広告を見せるには各フォーマットに合わせて変換する技術が必要です。Feedburnerは、こうした技術を提供する企業で、われわれの広告をそれぞれのRSSのフォーマットに合わせて変換する役目を担っています。

--基本的にRSS広告は、コンテンツマッチ広告のように、コンテンツと関連性の高い広告を表示する技術を利用しているのでしょうか。

Meisel: その通りです。この分野で一番重要な技術は、われわれがこれまでに培ってきた技術を応用したものです。コンテンツの中身を判断し、そのコンテンツが広告と適合性があるかを判断するという部分は、これまでわれわれが取り組んできた事業そのものですから。

--RSSも大きな広告媒体となる可能性はあるのでしょうか。

Meisel: 最終的にそれを決めるのはユーザーです。ただ、ひとつ言えるのは、ユーザーがコンテンツにアクセスする方法が変化しているということです。現在ユーザーは、PCのみならず携帯電話や家電なども利用してコンテンツにアクセスしています。また、自らコンテンツを探すだけでなく、RSSのようなプッシュ形式で情報を得ています。われわれも、ユーザーの動向に合った方法で広告を提供したいと思っています。

Steel: オンライン上で起こっているトレンドとして、新聞やテレビ、ラジオなどの既存メディアが、自社の持つコンテンツをオンラインで提供する方向に向かっていることが挙げられます。つまり、われわれの広告を配信する範囲が広がっているということです。また、これまではっきり線引きされていた広告主や広告配信側、ユーザーが、だんだん一体化しつつあることもトレンドのひとつでしょう。一般ユーザーがコンテンツ配信を行い、そこで広告を掲載し、収入を得ることもありますからね。このように一体化する広告業界の中で、効率的に広告が提供できる仕組みを提供したいと思います。

--ところで、OvertureはいわゆるGoogleのAdSenseのように、個人で運営するサイトや小規模なサイト上に広告が掲載できるようなサービスの提供を予定しているのでしょうか。

Meisel: まだ具体的な製品は何も発表してはいませんが、さまざまな広告の方法をテストしていることは事実です。

--今、検索連動型広告に多くの企業が参入しつつあります。強力なライバルとなるGoogleはもちろんのこと、MicrosoftのMSNでも独自のサービスを始めようとしていますが、Overtureの強みはどこにあるのでしょう。

Meisel: いい競合関係ができると市場の活性化につながりますから、われわれとしても歓迎すべきことです。われわれは、引き続きよりよいサービスを提供することに注力するのみです。つまり、広告関連のサービスを充実させ、広告主やユーザーのニーズを理解するよう努めることです。よりよいサービスの提供に特化していることが、われわれの強みだと考えています。

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